小中一貫校で「銃剣道」の授業
礼節と基本動作を学ぶ|佐賀地本
佐賀地本(本部長・松島事務官)は10月26日、31日、11月4日の3日間、大町町立小中一貫校大町ひじり学園の保健体育授業に援護課の河合陸曹長を派遣した。
ひじり学園では、保健体育授業の武道科目として銃剣道を実施しており、河合曹長が銃剣道連盟の外部指導者として指定されていることから、同連盟を通じて地本に依頼があった。
また、「国民体育大会(国体)」が2024年(令和6)に「国民スポーツ大会(国スポ)」と名称変更され、初の開催が佐賀で予定されており、ひじり学園はその大会(通称SAGA2024国スポ)の銃剣道会場であることから、3年前から銃剣道を授業に取り入れている。
初日の26日は、県の国スポ担当者が学校に来校。授業開始前の時間に広報活動としてモニター越しに5年生~7年生(中学校では1年生)に対し、国スポについての説明を実施した後に、河合曹長が銃剣道について道具や競技内容、大会の概要などについて説明した。
授業は3日間で合計6時間実施。初日の2時間では、礼の作法から始まり、足さばきや突きの動作について、経験者である生徒による展示のあと、実習を行った。
この際、県の国スポ担当者も銃剣道を体験した。授業の最後には、先生の「授業において身に付いたこと」への質問に対し、「初めての経験だったが、基本的な動作を身に付けることができた。次は構えや足さばきを素早くできるようになりたい」とあり、教諭は「科目で何を学ぶかを意識して取り組んでもらいたい」と締めくくった。
佐賀地本は「今後も、学校活動への協力を積極的に行い、自衛隊に対する親近感の醸成に努めていく」としている。
裾野市立西中学2年生が体験学習
救急の難しさを実感|静岡地本
静岡地本三島募集案内所(所長・松本2陸尉)は10月18、19の両日、裾野市立西中学校2年生の男子生徒8人に対し、職場体験学習を実施した。
初日は板妻駐(御殿場市)を訪れ、駐屯地の概要や熱海土石流災害の災害派遣活動について説明を聞いた後、基本教練と救急法の体験、施設や訓練の見学を行った。
基本教練の体験では自衛官の基本の動きを体験し、隊員のアドバイスを聞きながら皆凛々(りり)しい動きを身に付けていた。救急法体験では、衛生科隊員から毛布と長棒を使った簡易担架の作り方、心肺蘇生法、AEDの使い方を学んだ。患者発見からAED使用までの一連の流れを体験した生徒は、「説明を聞いた時はできそうと思ったけれど、実際にやってみるとなかなか思い出せないと感じました」と難しさを実感していた。
次に、新隊員が生活する隊舎や部隊の本部、訓練を見学。居室を見学した生徒が「意外と狭く感じます」と話すと、駐屯地広報の飛田2陸曹が「こういった環境で3カ月間、みんなで協力し、助け合いながら生活することで、より絆が深まり、一生の仲間になることができます。この経験はその後の自衛隊生活の中で宝物になりますよ」と伝えると、生徒たちは一様に納得していた。
体育館では、格闘と銃剣道練成隊の訓練、グラウンドでは重迫撃砲中隊の訓練を見学した。活気にあふれ、緊張感のある雰囲気に生徒たちは圧倒された様子で、隊員の正確かつ機敏な動きに「すごい。指揮する隊長がかっこいい」と興奮した声も上がった。
2日目は、滝ケ原駐(同市)で概要説明、野外衛生法、昼食の体験喫食、基本教練体験、高機動車の体験搭乗、資料館見学を行った。
野外衛生法では、傷病者発見から心肺蘇生法、AEDの使用の流れを全員で復習し、さらにCATと呼ばれる止血帯を使用した止血要領の説明を受け、理解を深めた。
また、高機動車に乗って駐屯地内を見学したり、資料館で駐屯地や自衛隊の歴史について学び、理解を深めた。
三島所は「今後も部隊と連携して学生の見学や職場体験などを行い、自衛隊のイメージアップに努めていく」としている。