【2022年11月30日(水)2面】 令和3年度の自衛隊による災害派遣は383件で、活動した人数が延べ約4万5000人に上ったことが11月15日、統合幕僚監部が発表した「災害派遣および不発弾等処理実績」で分かった。主な対応は、静岡県熱海市の大雨に係る災害派遣や新型コロナウイルス感染症の市中感染対応、特定家畜伝染病(鳥インフルエンザ)などだった。

 統幕の発表によると、災害派遣活動人員は令和2年度の約43万人から大幅に減少。派遣件数も2年度(531件)より148件減った。

熱海市の土石流など、大雨に係る派遣が目立つ

 ◇災害派遣◇

 【大雨に係る派遣】(1)令和3年7月1日以降降り続いた大雨の影響で、同3日午前、熱海市内の住宅地域で土石流が発生。活動人員延べ約2万7000人(うち現地活動人員延べ約1万1000人)により、人命救助活動、被害情報収集、道路啓開などを実施した。

 (2)令和3年8月上旬から降り続いた大雨のため、九州地方で河川の氾濫(はんらん)、浸水被害、土砂災害などの被害が発生したことから、長崎県雲仙市、佐賀県武雄市、大町町で現地活動人員延べ約3700人により、人命救助活動を実施した。

 【新型コロナウイルス感染症に係る災害派遣など(市中感染対応)】

 北海道、大阪、沖縄各府県などで現地活動人員延べ約1600人により、医療機関への看護官らの派遣や、自治体職員らへの感染防止に係る教育支援などを実施した。

 【特定家畜伝染病(鳥インフルエンザおよび豚熱)に係る災害派遣】

 秋田、兵庫、群馬、三重各県などで鳥インフルエンザの発生に対し、現地活動人員延べ約2200人により鶏の殺処分を、また、豚熱の発生に対し、現地活動人員延べ約4400人により、豚の殺処分などの支援を実施した。

 【山林火災に係る災害派遣】

 茨城、群馬両県などで山林火災の発生に際し、自治体により消火活動を実施するも鎮火に至らなかったものについて、現地活動人員延べ約860人により、空中消火活動などを実施した。

 【急患輸送実績】

 3年度の総件数は315件(2年度は349件)。例年同様、このうち、島嶼(しょ)地域の多い県(沖縄、鹿児島、長崎)からの要請が254件を占めた。

不発弾処理、件数・重量とも前年超え

 ◇不発弾等処理◇

 陸上で発見された不発弾などの処理件数は1255件、処理重量は約31.9トンと2年度(1194件、21.9トン)をともに上回った。沖縄県が占める割合が多く、全国の件数の約34%、重量の約36%。

 また、海上における機雷の処理は実績なし、海上におけるそのほかの爆発性危険物の処理個数は2646個、処理重量は約4.0トンだった。

日光市の山火事 ヘリで空中消火

CH47ヘリによる放水(統幕ツイッターから)

 統幕の発表によると、11月17日、栃木県日光市で山林火災が発生。同日午後8時30分、栃木県知事から12特科隊長(宇都宮・宇都宮市)に対し、空中消火活動に係る災害派遣要請があった。

 これを受けて、18日午前6時23分以降、12ヘリコプター隊(相馬原・群馬県榛東村)のCH472機、1ヘリコプター団(木更津・千葉県木更津市)のCH471機により消火活動を実施した。放水実績は約285トン(延べ57回)。また、12ヘリコプター隊のUH601機により現場の空中統制を行った。

 19日午後3時15分、火災の鎮圧が確認され、活動を終了した。

 このほか、連絡員として12特科隊から日光市役所に2人、日光市消防本部に2人、12ヘリコプター隊から現地指揮本部(鬼怒川レジャー公園)に2人をそれぞれ派遣した。