【2022年10月13日(木)2面】 <北海道>美幌駐6普連(連隊長・河村1陸佐)は8月29日から9月3日の間、北海道大演習場での北部方面隊総合戦闘力演習の場を活用し、5後方支援隊と連携して「第2次基礎となる部隊等訓練検閲」を実施。本部管理中隊衛生小隊が受閲した。
訓練検閲は、衛生小隊の行動について練度を評価・判定し、じ後の進歩向上を促すこと、5後方支援隊衛生隊との連携強化が目的。特に、大量患者発生の状況に加え、現代戦の特性で発生の頻度が増加した急性ストレス障害を発症した隊員への対応を初めて実施した。
8月29日午前10時から状況が開始。作戦当初から旅団衛生系と連隊衛生系の単独の無線網を構成して連携を容易にするとともに、負傷した隊員の状況を逐次無線で連絡。現場の隊員へ救護の指示を行い、少しでも救命率を上げるよう実施した。
衛生小隊は戦況の推移に応じて、連隊収容所を分派。2カ所の救護所を開設し、患者後送・救護を実施して、救命率の向上を図った。特に、8月31日正午における8人の大量負傷者発生、9月1日午前8時における11人の大量負傷者発生、急性ストレス障害患者の発生、後送中における車両故障などの複合的な付与状況に対し、トリアージを適切に実施。配属担架員を活用しつつ、旅団衛生系無線を活用した救急車の統一運用により戦闘損耗を最小限に抑えることができた。
現代戦の特性「急性ストレス障害」にも対応
また、現代戦の特性である急性ストレス障害に対しては、復帰を前提とし、隊員を患者として扱わずに衣食住を与え、短期の休息を与えつつ部隊と連携。迅速な戦場復帰を促すために、旅団心理幹部の派遣依頼などを演練した。
さらに今回、救急車は1トン半救急車に替えて96式装輪装甲車救急車を運用。防護力を生かした患者後送を実施するなど、作戦の終始を通じて人的戦闘力の維持・増進を図り、9月3日の午後6時には状況が終了した。
衛生小隊の評価は「良好」
同4日には訓練検閲概評が実施され、検閲評価「良好」を獲得した。
6普連は「小隊長を核心として衛生小隊は今後、第一線における救護では、隊員自らの救急処置から連隊収容所、旅団収容所までの後送などを一連の行動で実施し、さらなる救護能力向上を図るとともに、実戦場におけるトリアージ、優先順位について具体的な検討が必要であることが理解できた」としている。