【2022年10月4日(火)1面】

見て楽しむ海空自基地ツアー

 募集対象者に対する海空自基地への見学ツアーが各地で実施されている。女性限定、装備品の展示、体験喫食、警備犬の訓練展示…。志望者へは不安の払拭(ふっしょく)を図り、地域住民には自衛隊への理解を深めてもらうため、さまざまな作戦を展開している。3年ぶりの航空祭でにぎわった空自三沢基地での広報活動を含め、各地の表情を紹介する。

【下総】ネット公募で女性限定
「就職先の選択肢になった」|茨城地本

 茨城地本(本部長・貞方1陸佐)は9月9日、海自下総航空基地で女性限定の見学会を実施した。見学会は、インターネット公募による初の試み。海自カレーを一度喫食してみたいと応募した参加者もおり、期待に胸を膨らませて見学を開始した。

 参加者は、基地の成り立ちや各部隊の概要について説明を受けた後、P3C哨戒機、救難消防車を見学。大迫力の車両に圧倒され、高揚した面持ちのまま見学者が向かったのは、お待ちかねの隊員食堂。柔らかく煮込まれた牛肉が絶品の海自カレーに参加者は舌鼓を打っていた。

 午後は、フライトシミュレーター体験や航空機のエンジン整備の現場に足を運び、隊員による仕事内容などについての説明に熱心に耳を傾けた。

 参加者からは、「今まで全く知らなかった世界を垣間見ることができて、世界が広がった気がしました」「就職先の選択肢の一つとして、新たに海自を考えるようになりました」とのうれしい感想が寄せられた。

 茨城地本は「今後も基地見学などを通して自衛隊に対する理解を深め、自衛官という職業が一つの選択肢となるよう努めていく」としている。

P3C哨戒機を見学

パネル展示で理解を深めた


◆関連リンク
自衛隊 茨城地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/ibaraki/index.html


【鹿屋】P1哨戒機など説明
「潜水艦捜索技術力に驚いた」|熊本地本

 熊本地本(本部長・橋本1陸佐)は8月24日、県内の募集対象者に対して志願意欲の向上、不安感の払拭(ふっしょく)のため、鹿屋航空基地が実施する見学ツアーに参加した。

 見学ツアーは、海自入隊希望者を対象に、装備品や鹿屋航空基地内の各種施設などの見学を行う。新型コロナウイルス感染拡大中でのイベントもあり、健康観察、検温、消毒、換気などの感染拡大防止策を万全にしながらの参加となった。

 ツアー当日は、お盆明けということもあり、猛暑日ではないものの、まだまだ汗ばむ気候。ツアーは、1航空群司令部庁舎前での集合写真の撮影からスタート。その後、海自の概要説明(ビデオ上映含む)を受けた参加者は、最新鋭のP1哨戒機による潜水艦捜索などの説明に、特に興味を寄せていた。

 装備品見学では、P1哨戒機、潜水艦捜索用のソナー、救難機、管制塔内の展示説明を受けた。

 参加者からは、「P1哨戒機が思ったよりも大きく、捜索機能(センサーなど)がたくさんあり、すごいと思った」「海中の潜水艦を発見できる技術力に驚いた」との感想があり、海自航空部隊への親近感の醸成と自衛官志願意欲の向上などを図ることができた。

 熊本地本は「厳しい募集環境でも本部長要望事項である『挑戦、連携』の下、積極的な募集施策に努め、募集対象者の目線に立った効果的な募集広報活動に努めていく」としている。

※橋本本部長の「橋」は、正しくは旧字となります。

P1哨戒機の展示説明

隊員による救難機の説明に聞き入った


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自衛隊 熊本地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/kumamoto/


【百里】警備犬訓練展示も
【横須賀】タグボートで湾内案内|千葉地本

 千葉地本(本部長・髙橋1海佐)は8月23日と25日、空自百里基地の協力により「百里基地見学ツアー」へ募集対象者23人を案内し、自衛隊広報を実施した。

 当日は、基地の説明、広報館の見学、警備犬の訓練展示、消防隊の見学と放水体験、体験喫食、飛行隊の見学、救難隊の見学の流れで実施した。

 参加者からは、「一般曹候補生に合格しているが、航空学生も受験する」「警備犬を担当するハンドラーになりたい」などの反応があった。また、空自名物「空上(からあ)げ」を体験喫食することができ、大満足の様子だった。

警備犬の訓練を展示

消防隊で放水を体験

 8月24日と26日には、海自横須賀基地で行われた「横須賀基地見学ツアー」へ募集対象者26人を案内した。

 当日は、基地の説明、タグボートでの体験航海、資料館の見学、体験喫食、補給艦「ときわ」の見学などを実施。体験航海では、タグボートで横須賀基地湾内を航行。海から見える迫力ある護衛艦や航行中の潜水艦に遭遇=写真=するなど、貴重な体験を案内することができた。体験喫食では、海自名物の「金曜日のカレー」に大満足の様子だった。

 補給艦見学では、乗組員からの説明を受け、補給艦の任務、航海上の勤務体系、上陸中の生活の話など生の声を聞くことができた。

 参加者からは、「海自に受験を変更したい」との声や、「隊員の生の声を聞け、自分が働いているイメージを持つことができた。ぜひ、入隊したい」などの感想があった。

 千葉地本は「これからも各関係協力団体、地域の理解、協力の下、地域と一体となった募集広報活動を関係部隊と連携しつつ部員一丸となって推進していく」としている。

潜水艦と遭遇し、手を振る参加者

体験航海にいざ出発


◆関連リンク
自衛隊 千葉地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/chiba/


3年ぶり三沢基地航空祭で募集広報|青森地本

 青森地本(本部長・川島1空佐)は9月11日、空自三沢基地(司令・大嶋空将補)航空祭で自衛官募集広報を実施した。航空祭は、三沢基地、米軍三沢基地が毎年、共同で行う国内でも大規模な航空祭。新型コロナウイルスの感染拡大により20、21年シーズンは中止となったが、今年は3年ぶりの開催となった。

 基地内には最新のF35A、無人偵察機RQ4グローバルホークなどが並び、日米双方の戦闘機による曲技飛行が行われ、その飛行技術に観客は拍手や手を振るなど、盛んに歓声を上げていた。

 また、救難ヘリコプターによる捜索活動の飛行展示や音楽隊の演奏などが行われ、会場内は多くの人でにぎわった。

 三沢募集案内所は、自衛官募集コーナーを開設するとともに青森県自衛隊生徒父母の会の支援を受け、陸自高等工科学校生徒の魅力について伝えた。また、多くの来場者に対し、募集パンフレットなどの配布や募集に関する説明を行った。

 募集コーナーを訪れた中高生らからの「パイロットになるにはどうすればいいですか」「自衛隊にはどんな職種があるのですか」などの受験に関する質問に、広報官は一つひとつ丁寧に回答。学生の自衛隊に対する興味・関心の向上を図った。

 青森地本は「今後もさまざまな機会を積極的に利用し、地域に自衛隊の活動や自衛官募集への理解を深めてもらうよう、広報活動を実施していく」としている。

質問に答える広報官

自衛官募集コーナーは大盛況となった


◆関連リンク
自衛隊 青森地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/aomori/