酷暑下の厳しい訓練乗り越え、自信つかむ
【2022年9月27日(火)2面】 新隊員後期特技課程が終盤を迎えている。 120ミリ迫撃砲や81ミリ迫撃砲の射撃を演練、35キロ徒歩行進などのほか、施設課程では施設技術を習得するため、全力で取り組んでいる。当初は慣れない訓練に戸惑いを見せていたが、次第に練度が向上した。各地で実施された新隊員たちの表情をまとめて紹介する。
81ミリ迫撃砲、120ミリ迫撃砲 実弾射撃の基礎動作を演練
<北海道>美幌駐6普連新隊員教育隊(教育隊長・藤田准陸尉)は8月18日、上富良野演習場で新隊員後期特技課程81ミリ迫撃砲、120ミリ迫撃砲の実弾射撃を実施した。訓練は、新隊員に対して弾薬手、副砲手の基礎動作を演練し、部隊配置後も即戦力として活躍できるとともに、じ後の教育訓練の資とするのが目的。
新隊員は、実弾射撃に向け、8月2日には美幌訓練場で81ミリ迫撃砲、120ミリ迫撃砲の縮射弾射撃を実施するなど、朝夕、間稽古を活用して砲手訓練などの練成を行い、実弾射撃における安全管理、実弾射撃のイメージアップを図り、万全の準備を整えて本番を迎えた。
本番では、午前に81ミリ迫撃砲射撃を、午後に120ミリ迫撃砲射撃を実施した。
新隊員は、初めての安全教育、弾薬点検から実弾射撃の一連の射撃行動を実施。緊張していた様子だったが、班長らから指導された事項を思い出し、確実な基礎動作の確行(弾薬手の確実な弾薬点検弾薬複合受け渡し、副砲手は確実な弾薬授受、装填(そうてん)動作)を行い、今までの練成成果を遺憾なく発揮し、全射撃を無事終了した。
射撃終了後の新隊員からは、「迫撃砲の発射音が小銃とは異なり、とても大きく驚いた」「班長から教えていただいたことを正確に実施した結果、本番を成功することができたのでうれしかった」との所見があった。
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新隊員教育隊は9月7日、美幌駐で教育の集大成である81ミリ迫撃砲、120ミリ迫撃砲砲手試験を実施した。
新隊員たちは、試験開始前に「全員で合格するぞ」と気合を注入。一人ひとりがやる気に満ちあふれ、絶対に特級砲手になるとの気合が入った状態で試験が開始された。
試験は81ミリ迫撃砲、120ミリ迫撃砲の各部門に分かれて、据砲(砲の組み立て)、照準、射撃準備完了などまでを規定時間内に正確に実施できるかを試験した。
新隊員は、約2カ月の昼夜を問わず間稽古を活用した半復訓練を通じて、81ミリ迫撃砲ではそれぞれが自分の役割を理解した上で連携してできるようになった。
また、120ミリ迫撃砲では、教育当初は扱えなかった重い砲をチームワークにより簡単に移動。素早いハンドル操作により迅速な照準を実施するなど、訓練の成果を十分に発揮した。
すべての試験が終了し、結果は全員が合格。そのうち、特級砲手が約7割の17人と健闘し、教育期間で砲手としての能力を習得することができた。
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