【2022年9月16日(金)1面】

 8月は「説明会」が各地で実施された月でもあった。防衛大学校、防衛医科大学校、航空学生、そして陸自高等工科学校。本部長や広報官のほか、教授らも〝参戦〟。自衛隊の明日を担い、「国を護(まも)る」という高い志を持つ若者たちに向け、酷暑の中、熱く訴えた。

【防大】教授が学校を紹介 現役生囲み懇談会も|青森地本

 青森地本(本部長・川島1空佐)は8月9、10の両日、八戸会場と本部庁舎で防衛大学校説明会を開催した。

 説明会は、防大に関する理解と認識をより一層深めてもらい、受験・入学意欲の向上を図るのが目的で、受験希望者11人と保護者6人が参加した。

 この日は、青森県出身で防大の板宮敬悦教授が学科・科目を段階的に向上させるカリキュラムや、学生舎では規則正しい生活が送れるよう学生同士が助け合う環境が整っていることなどを説明した。

 その後、現役の防大生(同県出身)を囲んで懇談会が行われ、授業、訓練、生活環境の様子、学部のカリキュラムなどのほか、特に受験に向けた取り組みなどを詳しく紹介。生徒たちから、多くの質問が防大生たちに寄せられた。

 受験希望者の一人は、「学校のことがわかり、良かったです。ぜひ、防大に入りたい」と力強く語った。

 青森地本は「受験希望者が合格することを願い、引き続き防大への理解と認識の深化に努めていく」としている。

質問に答える防大生

板宮教授からの概要説明


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【防大】学校作成の動画を視聴 教授は電気自動車について説明|熊本地本

 熊本地本(本部長・橋本1陸佐)は8月28日、県内の防衛大学校入校を目指す募集対象者と保護者に対し、防大説明会を実施した。

 説明会は2部構成。熊本県内の高校出身で防大で教鞭(べん)をとる山川淳也教授による2部構成で実施。第1部は、防大が作成した動画を視聴した後、防大の概要などの説明を行った。その後、募集課長が卒業後のキャリアプランとして、陸海空自の任務と職種説明、熊本地本長の経歴をモデルにした幹部自衛官のキャリアプランを話した。

 第2部は山川教授が「くるまの話―電気自動車は環境にやさしいか?」と題し、体験講義を実施。大学の講義をわかりやすくかみ砕いた内容で、車の歴史に始まり、「エコカー」の種類、特徴を踏まえた上で環境に与える影響などを図解、動画を織り交ぜて説明した。

 「環境に良いとされている電気自動車についても、走行中はCО2を排出しないが、電気を作る際にCО2が排出される。発電についても、自然エネルギー(太陽光・風力など)を活用する場合は広大な場所が必要。その場所は森や木が生い茂る自然が多い場所だ。それは本当にエコなのか」。山川教授が参加者に考えさせるなどの場面もあり、有意義な講義となった。

 その後、個別相談では、説明会で分からなかった点や、採用コース、学生生活などに関する質問をするなど、不安を解消していた。

 熊本地本は「本部長要望事項である『挑戦、連携』の下、積極的な募集施策に努め、募集対象者の目線に立った効果的な募集広報活動に努めていく」としている。

※橋本本部長の「橋」は、正しくは旧字となります。

参加者は熱心に聞き入った

募集課の防大出身者が説明


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【防大・防医大】「平和守る関心持てた」|鹿児島地本

 鹿児島地本鹿児島募集案内所(所長・迫口1陸尉)は8月27日、鹿児島市内にある北九州予備校で本部長の稲崎1海佐とともに予備校生約30人に対し、自衛隊の職業説明と併せ、防衛大学校、防衛医科大学校の概要についての授業を実施した。

 北九州予備校は、難関大学を目指す学生が多数在籍。昨年度は、例年以上の入隊志願者がいたため、今年度は昨年度を超える受験者獲得を目指し、本部長自らが部外講師として授業を実施した。本部長は、60分の授業の中で防大、防医大の概要や将来のキャリアプランなどについて自らの経験、体験談などを交えて説明。参加した学生は真剣なまなざしで聞き入っていた。

 参加した学生からは、「本部長の体験談を踏まえた説明で、より詳しく防大のことが理解でき、興味を持ちました」「防大は厳しいイメージしかなかったが、やりがいや仲間との交流における楽しさもあることが分かりました」「平和を守るという明確な目的を持った仕事に関心が持てました」「防医大の学校生活の雰囲気がよく分かり、将来の一つの選択肢にしたいと思いました」「自衛隊の医師として、災害派遣で活躍し、貢献したいです」などの声が聞かれた。

 鹿児島所は「引き続き予備校、専門学校生ら既卒者の獲得に努めるとともに、より多くの募集対象者に自衛隊の魅力を発信し、入隊意欲の高い適質人材の獲得に取り組んでいく」としている。 

話に聞き入る生徒たち


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【高工校】生徒と保護者が受験アドバイス|神奈川地本

 神奈川地本上大岡募集案内所(所長・荒木3陸佐)は8月6日から11日の間の3日間、担当する横浜市内の3カ所で陸自高等工科学校制度説明会と自衛隊制度説明会を実施した。説明会には、ダイレクトメールやチラシ配布・学校でのポスター掲示・SNSを見て来た人のほか、保護者を含む計60人が参加した。

 高工校説明会では、現役の生徒と保護者の支援を受け、学校での生活や勉強についてのアドバイスのほか、保護者の目線からの学校説明なども行われた。また、自衛隊制度説明会では、現役の防衛大学校・防衛医科大学校看護学科の学生、航空管制官から支援を受けて種目別(分野別)に説明を行い、学校生活や受験勉強のやり方などを聞いた参加者は、真剣な表情でメモをとっていた。

 説明会終了後にも、現役の学生や広報官が個別対応で具体的なアドバイスをするなど、来場者に寄り添った対応でしっかりとサポートしていた。

 説明を聞いた人からは、「自衛隊のことがよくわかった」「受験の参考になって良かった」などの感想があった。

 上大岡所は「あらゆる場を活用して募集対象者に自衛隊を理解してもらい、一人でも多くの受験者確保につなげていきたい」としている。

さまざまな参加者が集まった

現役の学生も広報に協力


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【航空学生】魅力と空の防衛伝える|熊本地本

 熊本地本は8月27日、県内の航空学生を目指す募集対象者と保護者に対して航空学生説明会を行い、空海自航空学生の概要説明とパイロットとしてのキャリアプランの説明、質疑応答を実施した。

 説明会では、航空学生の教育内容、空海自が誇るさまざまなパイロット養成コースや航空学生になるための試験概要などを実施した後、固定翼パイロットとして活躍していた水俣地域事務所長が空から日本を守る任務についてのやりがいなどを説明した。説明の間には、タブレットを活用し、ブルーインパルスのVR動画を視聴してもらった。

 その後、水俣所長が高校卒業後から航空学生を経て現在に至るまでのキャリアを含め、パイロットとしての将来像を募集対象者にもわかりやすく説明した。

 参加者からは、「パイロット=空自のイメージでしたが、海自にもパイロット職が多くあることにびっくりした」「ブルーインパルスのVR動画をもう一度家に帰って見てみます」などの感想があり、航空学生の魅力と空の防衛について伝えることができた。

パイロットが丁寧に説明


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【防医大】卒業生と質疑応答|富山地本

 富山地本富山募集案内所(所長・山本3陸佐)は8月31日、富山市内の富山育英予備校で令和4年度の防衛医科大学校の受験説明会を行った。

 当日は、医学部志望の受験生33人が参加。所長が防医大の概要、校内生活の状況について説明をした後、同予備校OBで防医大を卒業し、現在、研修医として活躍している水名2海尉とオンラインでの質疑応答を行った。

 受験生からは防医大受験の動機、宿舎での普段の生活状況、校友会活動の状況、陸海空自衛官への進路決定の時期、医師としての専門科の決定要領などの多彩な質問があり、水名2尉もユーモアを交えながら、真摯(しんし)に対応した。特に受験対策についてのアドバイスには受験生もメモを取りながら、熱心に聞き入っていた。

 また、校長先生も水名2尉の受験生当時のエピソードを紹介するなど、真剣な中にも心なごむ有意義な説明会となった。今回の受験説明会により、受験生たちは医学の道への決意をさらに強くした様子だった。

 富山所は「今後もあらゆる機会をとらえて積極的募集広報活動を展開し、募集目標を達成する所存だ」としている。

多くの学生が説明会に参加した


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