【2022年9月1日(木)1面】

 きょう9月1日は「防災の日」。災害が頻発する日本。そのための日常での備えと高い危機意識を持ってもらうため、自衛隊は各地でさまざまな活動を展開し、啓発に努めている。地本が「防災」へ向け、この夏に実施した活動をまとめた。

幼稚園で自衛隊車両展示 「命を守ることの大切さ」伝える|静岡地本

 静岡地本藤枝地域事務所(所長・宝保1陸尉)は7月27日、認定こども園すすき幼稚園(牧之原市)で行われた子育てフェア「官庁の働く車展示フェア」に協力した。イベントは、国や地域を守る仕事について理解を深めてもらうために行われ、警察と自衛隊が参加した。

 警察は白バイ、「ウニモグ」と呼ばれる特殊車両、自衛隊は73式中型トラックを展示し、園児や近隣の小学生ら約350人が見学した。

 当日は午後から天気にも恵まれ、子供たちは大粒の汗をかきながらも楽しそうに見学していた。中には自衛隊が大好きで、何度もトラックの荷台に乗る子や展示した防災パネルに真剣に見入る子もいた。

 また、園内では藤枝所長が防災講話を行い、災害発生時の行動や対策、災害に備えて準備しておいた方がいいもの、災害時の自衛隊の行動について説明し、命を守ることの大切さを伝えた。園児には少し難しい内容もあったものの、皆、真剣なまなざしで講話を聞いていた。 

 講話の後には、段ボールを使った簡易ベッドや箱型の簡易トイレの展示を行った。園児や保護者は、簡易ベッドの耐久性やコンパクトに折りたためる簡易トイレに驚いていた。

 藤枝所は「今後も地域の防災イベントに積極的に参加し、自衛隊の活動紹介や地域住民の防災意識の向上に努めていく」としている。


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商業施設にブース開設 防災意識の向上を図る|熊本地本

 熊本地本八代出張所(所長・上野1海尉)は7月30、31の両日、商業施設「ゆめタウン・八代店」で防災意識の向上を目的とした広報ブースと車両展示を開催した=写真。同店舗での広報ブース開設は、今年度初。イベントは、市民の防災意識の向上を図るため、定期的に開催しており、八代市危機管理課から協力を得るとともに、ゆめタウン・八代店からも地域社会への貢献として賛同を得て実施している。

 今回のブース開設にあたっては、開催場所の提供以外にも店舗側から協力してもらった。ゆめタウンのキャラクターである「ゆーくん」と「めーちゃん」の迷彩服姿が描かれた塗り絵(陸海空自の3バージョン)を作成してもらい、来店者に配布。子供たちから非常に好評だった。

 また、野外駐車場では、自衛隊車両展示も実施した。車両は11/2トン救急車、1/2トントラックの2台を展示。多くの家族連れが写真撮影などを楽しみ、特に子供たちに大いに喜ばれた。

 31日には、今年の春に八代市から陸自高等工科学校に入校した生徒2人が募集広報の応援のために同イベントに参加した。2人は準備から加わり、広報活動中には中学校時代の同級生と再会するなど、広報ブースを大いに盛り上げた。

 熊本地本は「引き続き地域と連携した活動を実施していく」としている。

広報ブースには多くの買い物客が足を運んだ

高工校の生徒が広報に協力


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防災フェアに3000人 車両、警備犬訓練など展示|東京地本

 東京地本立川出張所(所長・東1陸尉)は7月16日、昭島市に所在する「モリパークアウトドアヴィレッジ」で防災フェアを実施した=写真。

 防災フェアは、募集相談員からの紹介で昨年度に実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響などで延期。今年度から東京地本全体として実施する大規模広報として、地本本部、各地区隊からの支援を受けて実施した。当日は雨がちらつく中だったが、会場には約3000人の来場者が訪れ、大いににぎわった。

 来場者は、東部方面航空野整備隊が展示したヘリコプターの操縦席に乗って記念撮影をするなど、間近に触れて楽しむとともに、中央情報隊地理情報隊が展示した野外地図作成車の災害時における活動紹介などを聞き、防災に関する知識を深めていた。

 また、中部航空警戒管制団の警備犬訓練展示では、ハンドラーの指示の下、人員の捜索や不審物を発見する警備犬の活躍に感心した様子だった。

 イベント終了時には、ヘリコプターの解体作業、車両積載が訓練展示として実施され、統制のとれた軽快・機敏な行動を見て、撤収完了した際には、来場者から隊員たちへ大きな称賛の拍手が起こった。

 来場者からは、「隊員の活動や装備品について知ることができ、より自衛隊が身近に感じる存在となった」という声が聞かれた。

 立川所は「新型コロナウイルスの影響により、自衛隊イベントなどの実施が困難な状況でも努力を惜しまず、あらゆる手段を講じて今後も活動を続けていく」としている。

ヘリコプターを展示

車両展示も子供たちに好評を博した


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講話、カレー提供 高校の防災キャンプで|兵庫地本

 兵庫地本伊丹地域事務所(所長・原田3陸佐)は7月31日、36普連(伊丹)の協力を得て兵庫県立伊丹高校が実施した防災キャンプを支援した。

 防災キャンプに参加したのは、伊丹高校の1~2年生約60人。同校は、伊丹駐と柵を挟んで隣接する歴史ある進学校であり、自衛官の子息も多く入学している。

 防災キャンプは、原田所長による防災講話から始まり、生徒たちは東日本大震災と熊本地震の災害派遣に従事した原田所長の講話を熱心に聞いていた。

 その後、36普連の炊事車で作成したカレーライスで夕食となり、2杯、3杯とおかわりをする生徒も多く、「カレーを作るのが上手な自衛官と結婚したい」と発言する女子生徒もいた。

 兵庫地本は「これからも学校の教育支援を積極的に行っていくことにしており、ぜひとも自衛隊を活用してもらいたい」としている。

カレーの炊き出しに、おかわりをする生徒も


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