【2022年8月31日(水)1面】 愛知地本(本部長・下本1陸佐)は7月29日、専門学校「名古屋医専」の学生14人、教諭2人と一般参加者2人の計18人に対し、自衛隊の中で最も過酷な訓練を行うことで名高い、空自救難教育隊救難員課程の訓練見学会を行った。当初は、自衛隊に対する「厳しい」「過酷」「危険」などの印象を増長させるという懸念の声もあったが、「各種試験での口述試験時に、空自に入隊して救難員を目指したいと発言する受験者が多く散見された」(募集班長)ことから、「実施する価値は絶対にある」とし、見学会の実施を決めた。

特定職種に特化した見学会 募集広報に高い効果

 当日は、空自小牧基地屋内プールでの海上行動訓練の見学が中止となったため、内容を「救難隊の全般説明」「救難員が実際に使用する装備品の展示など」に変更した。

 全般説明では、全国各地に所在する救難隊の紹介、救難隊の任務、所属する隊員らの説明後、参加者との質疑応答に移った。質疑では、「救難員を目指したきっかけは」「救難員を目指す前に就いていた職域は」「救難員選抜試験に向けて努力したことは」「救難員として災害派遣などに従事した内容」など多くの質問があり、非常に有用な時間となった。

 特に、「名古屋医専」の学生は将来、救難員と同様に「命に携わる仕事」に就くことが多く、救難員の話に真剣に耳を傾け、メモを取っていた。装備品の展示などでは、救難員の大西1曹が明るく、ユーモアを交えて説明し、終始和やかに説明会が進んだ。

 最後に、見学会のメインである救難員が実際に使用する落下傘の整備の様子を見学し、実際に落下傘の装着を体験した。参加者は、およそ25キロある落下傘を背負い、その重さを実感していた。
 学生からは「結構、重い」「これで立ったり座ったりするのか」「このほかに、救難に必要な装備品を装着するなんて…」などの感嘆の声が漏れていた。

 見学会では、救難員を指導する教官との対話や質疑応答を通じ、空自の救難員の魅力と任務の重要性を参加者に周知できたことは大きな収穫だった。

 愛知地本は「陸海空自の全般を知ってもらう見学会と特定の職種・職域に特化した見学会を実施することで、募集対象者のニーズに合わせた募集広報の効果が高い見学会が実施できる。さらなる志願者の獲得を目指していく」としている。

落下傘を装着体験する参加者

全般説明は救難教育隊の隊員が行った


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