災害派遣活動などで注目集める自衛隊をアピール

 【2022年8月4日(木)1面】 安定性、災害派遣活動での活躍ぶりなどを背景に、自衛隊などの「公安系公務員」への関心が高まっている。「国を守る」「人を守る」…。そんな気持ちが芽生えている募集対象者らの意識をさらに高めてもらうため、ほかの公安系に負けまいと、地本の募集広報活動は今、本格的な夏を迎えている。

「さらに詳しく知りたい」|愛知地本一宮所・半田所

 愛知地本一宮地域事務所(所長・山田1陸尉)は7月9日から17日の間、一宮所管内3個会場で公安系各機関の協力を得て、自衛官、警察官、消防官、刑務官の公安系公務員合同説明会を開催した。

 公安系公務員合同説明会は、毎年7月1日の高校生募集解禁に伴い、一宮所で企画している。今年は合計61人の来場者に対し、公安系各機関の魅力を伝えることができた。参加者の内訳は、高校生、大学生、社会人、その保護者などの幅広い来場者層だった。

 公安系各機関の個別説明会場では、「やりがい」「普段の勤務」「合格へのアドバイス」など、参加者が熱心に質問する姿が印象的だった。

 特に、自衛隊の個別説明会場では、プレゼンテーション後に「イメージが変わった」「さらに詳しく知りたい」などの声があり、自衛隊に対する理解を深めさせることができた。

 一宮所は「今後も自衛官を目指す人がさらに多く増えるよう地域に密着した募集活動を実施していく」としている。

各機関がそれぞれの魅力を発信した

 半田地域事務所(所長・佐藤3陸佐)は7月16日、東海市芸術劇場で公安系公務員合同説明会を実施した。

 会場は、地域の中心街にある「名鉄太田川駅」から徒歩2分の好立地に位置し、普段から各種イベントが開催され、なかなか予約の取れない会場。今回は東海市に募集協力を要請したところ、市として優先予約をしてもらい、開催に至った。

 説明会では、自衛隊のほか、愛知県警察、東海市消防本部、海上保安庁が参加した。当日は、約20人の参加者を得て「公安系公務員」として働く意義や各機関の説明を行った。半田所は「自衛隊の誤解、自衛隊の仕事、自衛官になるには」を主題として、全般説明と個別説明を行った。

 参加者からは、「デスクワークなどのソフトな仕事もあることを初めて知った」「自衛隊の印象が良くなった」「ぜひ、志願したくなった」などの好意的な意見を得ることができ、その場で志願してくれた参加者もいた。

 半田所は「今後も現状に甘んずることなく、開拓者精神を持って関係自治体や公安系各機関と連携し、自衛隊の魅力を発信していく」としている。

広々とした会場で生徒らにアピールした

自衛隊の説明に聴き入る生徒たち


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「警察の説明を聞きに来たが、自衛隊にも興味が出てきた」|熊本地本

 熊本地本(本部長・橋本1陸佐)は7月16日、県内の公安系公務員を目指す学生らに対し、公安系公務員説明会を実施した。

 説明会は、熊本県警察本部、熊本市消防局、熊本海上保安部の協力を得て、自衛官、警察官、消防士、海上保安官の仕事を身近に感じてもらうとともに、機関ごとの勤務体系の違いについて理解してもらい、参加者の受験意欲の向上を図るのが目的。新型コロナウイルス感染症感染拡大防止措置を講じ、企画・実施した。

 当日は、高校3年生や保護者、専門学生ら30人の参加があり、最初に熊本地本が自衛隊の役割や仕事内容、各種募集種目の説明のほか、警務職種や消防職種などの説明を行った後、警察、消防、海保と説明が続いた。

 その後、官公庁ごとの個別相談会で、自衛隊ブースでは、参加者に年齢が近い若年隊員をリクルータとして配置。自身が自衛隊を目指すきっかけや自衛隊の任務の中でやりがいを感じたことなどを話した。

 参加した学生や保護者からは、「今回の説明会へは警察の説明を聞きに来たつもりだったが、自衛隊にも興味が出てきた」などの声が聞かれ、熱心な説明により、自衛隊の魅力が伝わっている様子だった。

 また、全官公庁の相談ブースを訪れる熱心な参加者も多くおり、人を守る職業の人気の高さを改めて実感できる説明会となった。

 熊本地本は「厳しい募集環境においても、募集対象者の目線に立った効果的な募集広報活動に努めていく」としている。

※橋本本部長の「橋」は、正しくは旧字となります。

陸ルータとともに自衛隊について紹介

会場には多くの参加者が訪れた


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「勇敢な自衛官に憧れを抱いた」|鹿児島地本鹿児島所

 鹿児島地本鹿児島募集案内所(所長・迫口1陸尉)は7月16日、鹿児島市勤労者交流センターで鹿児島地本主催の令和4年度「公安職合同進路ガイダンス」を実施し、採用種目や自衛官の魅力などについて説明した。進路ガイダンスは、公安職公務員を目指す募集対象者に対して、効率的かつ効果的に各種公安職を説明し、受験者の志願意欲の向上につなげるのが目的。鹿児島地本が各機関に呼びかけて合同で開催しており、昨年度は、参加者の中から8人の自衛隊入隊者を輩出した。

 この日、会場には自衛隊、海上保安庁、県警察がそれぞれブースを開設し、高校生と保護者ら22人が来場した。

 鹿児島所の説明ブースには、9人が訪れ、高校生を主対象とした6種類の採用種目について説明を行った。中には自衛隊に関する説明を初めて受けた参加者もおり、各採用種目と入隊後のキャリアプランについて理解を深めてもらう絶好の機会となった。

 また、防衛大学校希望者については、本部長の稲崎1海佐が自らの体験談を交えて防衛大学校の魅力などについて熱心に説明を行った。

 参加者からは、「災害派遣などで行方不明者の捜索活動にあたっている勇敢な自衛官に憧れを抱き、説明を聞きに来ました」「国民から『ありがとう』と感謝される自衛官の格好良さに魅力を感じました」「高校1年生のころから自衛隊に憧れ、入隊したいと思っていました。やっと受験できる年になりました」などの声が聞かれ、志願者情報9件の成果を得た。

 また、保護者からは、「自衛隊のお仕事にたくさんの職種があることに驚き、イメージが変わりました」「自衛隊の役割、仕事の大変さがよくわかりました」などの声が聞かれ、自衛隊への理解、防衛基盤の拡充を図ることができた。

 鹿児島所は「引き続き、高校生採用の解禁に合わせ、積極的な攻めの採用広報を展開し、より多くの高校生らに自衛隊の魅力を発信し、入隊意欲の高い生徒の獲得に取り組んでいく」としている。

一人一人丁寧に対応


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公安系以外でもPR|岩手地本北上所

 岩手地本北上地域事務所(所長・稲葉1陸尉)は7月18日、北上市生涯学習センター「おでんせぐろーぶ」で今年度2回目の「北上所管内公務員合同説明会」を開催した。

 説明会は、北上・花巻市役所、同消防、岩手県警、海上保安庁、中部水道企業団の共催。2部構成で各部先着30人に対して実施した。

 説明会には、北上所管内に現住所のある大学生、専門学生、高校生、社会人の最大8人の4グループが参加し、各ブースでローテーション方式により実施した。

 参加者からは、「興味を絞るのではなく、さまざまな職種にも挑戦してみようと思いました」「いろいろな情報や魅力を知ることができ、自分の進路に役立てたいと思います」などの声が多くあった。

 北上所は「引き続き管内官公庁などと連携を図りつつ、自衛隊志願者の獲得に向け、公務員合同説明会を実施していく」としている。

広報官による説明

各省庁がそれぞれ工夫したPRを行った


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説明資料に一工夫 写真で興味を誘引|愛知地本小牧所

 愛知地本小牧分駐所(所長・佐々木3空佐)は7月14日、愛知県立春日井商業高校で開催された公務員ガイダンスに参加した。ガイダンスは、毎年開催され、1~3年生の公務員希望者に対し、自衛隊、愛知県警察、東京法律専門学校が、職務(学校)の概要や魅力を伝える内容で、今回は7人の生徒が参加した。

 小牧所広報官の礒野2陸曹は、陸海空自の任務と職種・職域について、書籍「○○な人は□□自衛隊が合っている!」を参考に、イメージが湧くように解説した。

 さらに、地本の広報用冊子「自衛官だから出会えた景色」に掲載されている写真をスライド化し、ロマンあふれる画像とともに、平和と独立を守る自衛官の仕事を紹介した。参加者は、「世界で仕事がしてみたい」「ペンギンに会いたい」と興味を抱くなど、職業選択の一つになった。

 小牧所は「これからも学校とのつながりを大切にし、学生のニーズに合った説明会を実施するとともに、自衛隊のロマンについて語っていく」としている。

多くの絶景写真が収められている冊子の表紙


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