【2022年6月29日(水)1面】 見て、聞いて、そして実際に体験してみる。本日のキーワードは、自衛隊を知るための「体験」。各地本では児童・生徒たちに向けたさまざまな「体験」イベントを実施し、理解を深めてもらい、志願者獲得にもつなげている。「職場体験」と「体験搭乗」。2つのテーマで各地の様子をまとめた。

高校の派遣型就業体験学習で卒業生隊員が教官役に|栃木地本

 栃木地本大田原事務所(所長・倉田1陸尉)は6月8日、栃木県立高根沢高校で「スマートハート」を実施した。

 スマートハートは「凛(りん)とした心」を持ってほしいという思いを込めて栃木地本が名付けた名称で、派遣型就業体験学習を指す。2013年(平成25)から栃木県内の希望する高校で実施しており、自衛官が主に高校3年生に対し、基本教練体験に加え、面接などで活用できる礼儀作法のアドバイスを行っている。

 当日は地本部員とともに、同校の卒業生である地神陸士長(木更津駐所属)と桑島空士長(空自入間基地所属)が教官役として参加した。

 卒業以来初めての母校訪問となった2人は、校長室を訪ね、自衛隊生活について先生に伝えると、「ずいぶん成長したね」と声を掛けられる場面があった。

 スマートハートの会場となった体育館には同校の3年生177人が集まり、16個のグループに分かれて「気を付け」や「礼」などの動作や発声要領を学んだ。入室から退室までの一連の流れを練習する場面では、いすに座る際の着眼点として「浅く腰掛けると背筋が伸び、胸を張った姿勢になる」などの説明を行った。

 生徒からは、「説明が分かりやすく、きびきびとした動きを身に付けることができた。実際の場面でも生かしたい」などの感想が聞かれた。

 栃木地本は「今後も学校との連携を強化し、地域に密着した活動を行っていく」としている。

校長室を訪ね、懇談

生徒にアドバイスをする隊員


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自衛隊 栃木地方協力本部
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「総合的な学習の時間」で富士駐へ 施設見学、救助ロープ作りなど|山梨地本

 山梨地本(本部長・桑畑1陸佐)は5月14日、富士駐と合同で都留市立東桂中学校が実施した「総合的な学習の時間」(社会体験学習)を支援した。

 学習では陸自の概要を説明した後、装備品や隊員が勤務している整備工場、買い物や食事ができる厚生センターなどの見学、救助ロープの取り扱い体験を実施した。

 参加した生徒からは、「自衛隊が日本の安全を守っていることを知ることができた」「自衛隊は初めてで少し怖かったが、隊員が優しく教えてくれて印象が変わった」など、自衛隊に対する理解を深めてもらった。また、「ロープの結び方はキャンプや緊急時に役に立ちそう」など、学習の内容を今後の生活に役立てていこうとする声もあった。

 山梨地本では、今後も中学、高校が計画する「総合的な学習(探究)の時間」を支援。8月1日から4日には、中高生を対象とする1日型の職場体験学習を4回計画している。

ロープ訓練の体験

整備工場の見学


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自衛隊 山梨地方協力本部
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工業高校電子科の2年生が自衛隊の「通信」学ぶ|佐賀地本

 佐賀地本(本部長・松島事務官)は6月7日、空自高良台分屯基地の協力を得て、佐賀県立佐賀工業高校電子科の2年生38人による自衛隊職場体験学習を支援した。

 職場体験学習は、高良台分屯基地司令の山田2空佐による概況説明から始まり、通信学習の時間として通信職の隊員によるモールス信号、有線電話の設置・導通確認と一連の動作を体験した。それぞれの体験は実習も含めて展示され、参加した生徒も楽しく学んでいた。

 午後からは、分屯基地内を見学し、多種多様な装備品に直に触れた。警備に関する展示では、軽装甲機動車に触れたり、防弾チョッキの試着では、実際の重量を体感するなど貴重な体験となった。

 佐賀地本は「引き続き職場体験学習支援を通じて、各関係機関との連携強化を図るとともに、自衛官を職業として選択できる環境の醸成に力を入れ、募集対象者の確保につなげていきたい」としている。

モールス信号打電体験

高射隊による訓練展示


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自衛隊 佐賀地方協力本部
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【1面特集記事】
夏だ!みんなで「自衛隊体験」だ!<体験搭乗>
【地本通信】各地でヘリコプター体験|福島、和歌山、福岡、岩手地本