「3.11」から11年。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県では、節目の日にさまざまなイベントが行われ、岩手地本(本部長・武本1陸佐)は、ボランティアや講話などで支援した。被災地を抱えるその使命と覚悟。改めてその意を強くした地本の報告を紹介する。

「祈りの灯火」にボランティア参加

 3月11日、盛岡城跡公園(もりおか歴史文化館前広場)で行われた「東日本大震災11周年行事~祈りの灯火2022~」(盛岡広域首長懇談会、もりおか復興支援ネットワークなど共催)に本部と盛岡募集案内所の隊員22人が昨年に引き続きボランティアとして参加した。

 行事は、被災地の復興と犠牲者の鎮魂を祈り、被災地と被災者の未来が希望あるものになるよう、地域住民皆が復興を考え、支援行動を続けていくのが目的で、震災の翌年から行われている。

 岩手地本は昨年の10周年行事から参加しており、今年は全国から送られた約9000個の灯籠には、被災地と被災者への励ましと、この震災を忘れないという強いメッセージが刻まれていた。

 被災地域の市町村名が記された灯籠に点火するセレモニーでは、岩手地本隊員もともに行った。

 ボランティアで参加した岩手地本の隊員は、灯籠の設置から点火、行事終了後の撤収までを被災地の復興と犠牲になられた方々の鎮魂を祈り、心を込めて支援した。

 行事に参加した高校生からは、「震災当時の自衛隊からの支援を忘れません。これからも頑張ってください」と励ましの言葉があった。

 岩手地本は「引き続き被災地、被災者に寄り添い、地域の防災訓練支援や防災講話などを通じて次世代を担う若者に対し、防災意識の向上につながる普及活動を継続していく」としている。

ボランティア活動中の様子

全国から届いた数多くの灯ろう

点火セレモニー後、鎮魂の祈りをささげ全員で黙とうする

浮かび上がる「心をつなぎ命をまもる3..11」

普代村役場で防災講演会

 3月11日、普代村役場で防災講演会を実施した。講話は、同村が「3.11防災を考える日イベント」の一環として、震災を風化させず、村民の防災意識の高揚を目的として企画した防災講演会への支援を依頼されたもので、村民18人が参加した。

 講話は、東日本大震災の災害派遣活動で、山田町の現場指揮官として実際に従事した募集課広報班長の鎌田3陸佐が被災地での活動や経験から得たさまざまな教訓などを紹介。「自分の身を守れるのは自分自身です。日頃から避難場所の確認や訓練などに参加し、災害に備えてほしい」と呼び掛けた。

 参加者は、「防災に関する講演会に初めて参加しました。また津波が来たらと想像すると、とても不安になります。講話を聴講し、改めて避難場所の確認や訓練への参加が大切だと気づいたので、災害に対する備えを改めて考えてみたい」と意識を高めていた。

 岩手地本は「自治体、関係協力諸団体、それぞれの地域と密接な連携を図りつつ、防災意識の向上につながる活動を継続していく」としている。

講演会の様子

村民の方からの質問に答える広報班長

 【2022年4月13日(水)1面】


◆関連リンク
自衛隊 岩手地方協力本部
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