【2022年3月17日(木)2面】 有事を見据え、全国の部隊では、過酷な訓練がきょうも続いている。訓練を通して技能、体力などの向上、連携を図り、プロとしての任務完遂に全力を傾ける姿がある。そこには、同じ志を持ち、日々格闘しながら、ときには大きな支えとなる仲間がいる。

中隊が一丸となって|岩見沢駐屯地

 <北海道>岩見沢駐12施設群(群長・荒関1陸佐)は2月21日から24日の間、北海道大演習場と孫別演習場で400施設中隊に対し、「10即応機動連隊に配属された施設中隊の行動」について訓練検閲を実施した。訓練検閲は10即機連との協同訓練の中で、積雪寒冷状況下での障害処理、障害構成、交通作業などのさまざまな施設支援を実施するもの。

 検閲開始にあたり、統裁官の荒関群長は(1)プロとして、被支援部隊の要求を第一義に支援し、任務を遂行せよ(2)中隊が「一丸」となり、いかなる困難も克服し、任務達成に邁進(まいしん)せよ(3)基本基礎を徹底し、安全管理に万全を期せ-の3点を要望した。

 中隊は、21日に岩見沢駐で隊容検査を受けた後、前進命令を下達。中隊主力は孫別演習場へ前進し、スキーを装着して中隊集結予定地域を索敵して安全化を図るとともに、速やかに中隊指揮所を立ち上げ、集結地の占領を完了した。

 一方で、渡河小隊は記録的な大雪の中、北海道大演習場に安全確実に前進するとともに、10即機連の攻撃支援として障害処理の任務を完遂した。

 また、孫別演習場では、大規模地雷原の構成、補給幹線の維持・補修のための81式自走架柱橋の架設などの施設作業を実施した。

 状況中は、敵の衛星、航空機による偵察などへの対処や遊撃情報などに伴う警備強化を実施。積雪寒冷地という特性の中、厳しい寒さと疲労に耐えながら、中隊一丸となり、誰一人けがや事故なく、あらゆる困難を克服して無事に任務を完遂することができた。

 400施設中隊は「今回の訓練検閲で明らかになった問題点を是正し、これからも日々訓練して交通作業、障害処理、障害構成能力を向上させていく」としている。

第400施設中隊

VLTB部隊通過


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陸上自衛隊 岩見沢駐屯地
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連隊長要望は「融和団結」|神町駐屯地

 <山形>神町駐20普連(連隊長・荒木1陸佐)は3月4日から8日の間、同駐で令和3年度「第6回予備自衛官招集訓練」を実施した。

 4日、訓練開始式が駐屯地講堂で行われ、荒木連隊長は(1)任務を意識し、各種訓練に真剣に取り組んでもらいたい(2)融和団結(3)健康管理-の3点を要望。「感染症対策を万全にし、訓練の目的を十分に達成することを期待する」と訓示した。

 訓練は、重迫撃砲中隊が担任。基本教練、射撃訓練、体力測定、職務訓練、救急法のほか、特殊武器防護訓練を実施した。訓練間、参加者は疑問点を教官・助教に積極的に質問して理解を深めるなど熱心に取り組み、久々に再会する旧友や現役隊員との親交を深めていた。

訓練開始式

特殊武器防護訓練


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陸上自衛隊 神町駐屯地
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陸上自衛隊 第20普通科連隊
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「みんなと頑張れた」|岩手駐屯地

 岩手駐東北方面特科連隊(連隊長・川間1陸佐)は昨年11月16日から2月25日の間、令和3年度「陸士特技課程『初級部隊ネットワーク』教育」を実施した。

 教育は、各部隊の通信班などに編成された新隊員に対して通信に必要な知識や技能を習得させ、部隊行動の要となる通信要員を確保するのが目的。教育の最後には、学科試験、実技検定で資格を付与するにふさわしい練度に達しているかを確認する特技検定を実施している。

 42人の隊員たちは、電波法や通信機材の取り扱いなど、知識と技能を遺憾なく発揮するため、緊張しながらも真摯しんしに特技検定に臨んだ。

 2日間行われた検定の有線構成の実技検定時は寒波が襲来し、日中の最高気温が氷点下と厳しい条件の中、かじかむ手でも有線の縛着や接続を最後までやりとげ、全員が合格。通信手として資格を獲得した。

 25日には、教育を終えた学生たちが連隊長に対して修了申告を実施。2大隊4中隊の遠藤陸士長は優秀な成績で教育を終え、連隊長褒賞を受賞した。遠藤士長は、「みんなと頑張れたことで受賞できた。陸曹教育隊への入校が控えているので、今日まで学んだことを生かしていきたい」と決意を新たにした。

ドキドキしながら点検を受ける

有線構成検定の様子


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陸上自衛隊 岩手駐屯地
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連携取れた素早い動き|山口駐屯地

 山口駐17普連(連隊長・山室1陸佐)は2月10日、あいば野演習場で行われた令和3年度「旅団重迫撃砲射撃競技会」に参加した。競技会では、13旅団各連隊の重迫撃砲小隊が各射撃練度、命中精度など練度の高さを競い合い、併せて安全管理の状態を確認した。

 当初、射撃予行が実施され、安全係による確実な点検などを行い、射撃競技会に万全な体制を整えた。その後、競技会が開始され、膝下までの積雪、気温の低さ、雪解けによる地形の不安定さなどの悪条件の中、隊員は確実な弾薬点検、大きな声を出しての号令・復唱、連携の取れた素早い動きなどを見せ、高い士気を保持して射撃を進めた。

 その結果、普段の地道な訓練成果を発揮した17普連が優勝を果たした。1分隊の指揮をした分隊長は「優勝できてうれしい。日頃の訓練成果が出たのと、連隊長要望事項の『やるべきことをやる』の精神を自分たちで貫いた」と話していた。

安全係による確実な点検

迫力ある重迫撃砲射撃 


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陸上自衛隊 山口駐屯地
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