【2022年3月9日(水)2面】 <北海道>南恵庭駐3施設団(団長・河口陸将補)は1月31日から2月13日の間、北海道大演習場をはじめとする各演習場などで令和3年度「第5次団集中野営訓練」を実施した。冬季における部隊行動などの練度向上を図るのが目的。

 各部隊は、積雪地訓練(スキー行進、野外における指揮所活動)、基礎となる部隊以下の訓練検閲、障害構成・障害処理、実爆訓練などを実施。所望の成果を収めるとともに、団長、副団長は現地指導を実施して各部隊の練度・練成状況などを確認した。

 その中で、施設科部隊としての初の試みであるドローンを活用した障害処理作業「敵障害の解明(偵察)」「70式地雷原爆破装置投射後の未処理確認」を、13施設群360施設中隊が北部方面情報隊と連携して実施。ドローンを活用した小隊長の指揮手順、情報隊との連携要領を検証して、じ後の障害処理作業における「ドローンの運用要領」「関係部隊との映像・画像データのシステムを通じたリアルタイム情報共有要領」など、部隊で有効に活用できることの確信を得た。

 訓練に参加した小隊長は、「従前の未処理部分の確認要領では、敵の勢力が残存する中、危険を承知でいつも最前線に突入していましたが、今回の試みは画期的であり、戦闘損耗を極限できると感じました」とのコメントを寄せていた。

 ドローンの施設作業への活用は、演習場秋季定期整備での空中3D測量に続き2度目。方面情報隊のドローンや陸自クローズドクラウド正蒼院の地図情報ソフト(Arc-GIS)などを活用して新たなものにチャレンジし、無人化・省人化を推進するとともに、各種施設活動の正確・迅速化、ゼロカジュアリティーに資することができた。

 3施設団は「引き続き冬季における部隊行動などの練度を向上するとともに、ドローンなどの標準化推進や施設科部隊・隊員の底上げを図っていく」としている。

70式地雷原爆破装置投射後の景況(第13施設群)

81式自走架柱橋による架設(第12施設群)

ドローンによる偵察要領の検証

ドローンによる未処理の確認

施設小隊長によるドローンの誘導

障害処理訓練

積雪地における戦闘訓練

団本部指揮所における指揮所活動