【2022年2月25日(金)1面】 東日本大震災の翌年から、各自治体の主催で実施された追悼式典。政府主催の式典は昨年が最後となったこともあり、今年は宮城県の沿岸13市町のうち、仙台、石巻、東松島の3市を除く10市町が開催しない。多くは献花台の設置にとどめ、来年以降も同様とする方針。10年の「節目」を過ぎたこと、参列者の減少などが主な理由のようだ。

 一方で、岩手、福島の両県では継続する自治体が多く、10年を境に自治体の対応が分かれるなど、式典の在り方が変わっている。

 宮城県の公式ホームページによると、同県の村井嘉浩知事は1月17日の定例会見で、式典の在り方について言及。「時間の経過というものも重要な要素。10年が節目なので、今年は(県の献花台設置を)やめようという話もあったが、まだ少し早いのでは、と考えた」と説明。その上で、「親族や友人を亡くされた方の気持ちというものを冷静に、どのタイミングでどのようなことをすればいいのかということを判断するのが重要だ」と述べた。

 村井知事は同日時点で、発生日前日の3月10日の岩沼市の追悼行事に出席。11日は七ケ浜町で献花する方向で、県が3カ所設置してきた献花台を県庁の1カ所に絞る方針。