【2022年2月25日(金)1面】 静岡地本(本部長・武田1空佐)は2月8日、常葉大学草薙キャンパス(静岡市)で「防災行政論」における集中講義を行った。講義は、同大社会環境学部で防災を学ぶ学生107人に対し、陸海空それぞれの自衛官が実施した。自衛隊の任務や組織、平時・有事における活動、大規模災害対応について広く理解してもらうとともに、職業説明を通じて自衛官という職業の認知度向上を図るのが目的
まず、武田本部長が自衛隊の任務や災害派遣の仕組み、また、日本各地で発生するさまざまな自然災害に対して、発災後直ちに国民の生命と財産を守るため常時即応態勢で待機している初動対処部隊「FASTーForce」など、自衛隊全体の活動を紹介した。
陸自からは34普連(御殿場市)副連隊長の石田2陸佐が参加。県内の災害に対応する任務を持つ同連隊が昨年7月に静岡県熱海市で発生した土砂災害での活動状況を説明した。
また、空自からは航空救難団浜松救難隊(浜松市)で救難捜索機パイロットとして活躍する高橋3空佐が参加し、救難隊の活動を紹介するとともに、急患空輸など自身の経験を学生たちに伝えた。
さらに、海自については、清水募集案内所長の藤井1海尉が、横須賀地方総監部(神奈川県横須賀市)が作成した資料を基に、島国である日本をつなげる海が海自の拠点であるという「From The See」をコンセプトに、災害対処活動を行っていることを紹介した。
講義後、静岡地本募集課長の山本2陸佐が、自衛官募集PR動画の紹介や陸海空の多岐にわたる職種・職域の説明を行い、自衛官の仕事の多様性や一般的なイメージとは違う職場の雰囲気などを伝えたほか、一般大学から入隊した自身の経験をふまえ、学生の自衛隊に対する疑問にも答えた。
学生からは「防衛省・自衛隊の組織力が発揮されているからこそ、安心して生活できていることを改めて感じた」「災害時、一般市民としてできることが知りたい」などの声が聞かれた。
静岡地本は「引き続き大学をはじめとする教育機関との関係を密にし、自衛隊が行う災害派遣を通して、学生たちに防災について考える場を提供していく」としている。