前週の防衛省・自衛隊の動きをチェックできる週報記事を毎週月曜日の通勤・通学時間にお届けします。

2022年1月22日(土)

大分、宮崎で震度5強の地震 陸海空自が情報収集

 ◯午前1時8分ごろ、日向灘を震源とする最大震度5強の地震が発生した。

 自衛隊では、陸上自衛隊(目達原)所属のUH1多用途ヘリコプター、海上自衛隊(岩国)所属のMCH101掃海・輸送機、航空自衛隊(新田原)所属のF15戦闘機などが上空からの被害情報収集を実施。特段の被害がないことを確認し、全機帰投した。

防衛省・自衛隊(災害対策)ツイッターより

 防衛省・自衛隊は「引き続き、自治体などと連携し、国民の安心安全のため万全を期していく」としている。

トンガ支援第1弾 飲用水3トンを届ける

 ◯海底火山の噴火による津波で大きな被害を受けたトンガ王国に対し、国際緊急援助活動航空隊のC130輸送機1機が、飲用水約3トンを届けた。

 C130輸送機は日本時間の正午ごろ、トンガ王国のファアモツ国際空港に着陸。日の丸を手にした現地の人々に迎えられ、第1弾の支援物資を届けた。

日の丸を手に現地の人々がC130輸送機を出迎える様子

機内から下ろした飲用水の異状の有無をトンガの空港職員が確認し、受領している様子
統合幕僚監部ツイッターより

 自衛隊は感染症予防などに細心の注意を払い、支援物資の受け渡しは人と人の接触を避けて行った。

Twitter: @jointstaffpa tweet

twitter.com

 防衛省・自衛隊は「日本とトンガは、同じ太平洋の海洋国家という友人です。防衛当局間でも、昨年の日・太平洋島嶼国国防大臣会合で人道支援・災害救援について意見交換しました。東日本大震災の際、トンガから心温まる支援をいただきました。今回は、被災したトンガの人々のために防衛省・自衛隊が全力で取り組む番です」とコメントしている。

護衛艦「ひゅうが」が沖縄で米空母と共同訓練

 ◯海上自衛隊は1月17日から22日の間、日米同盟の抑止力・対処力を強化すべく、米海軍と共同訓練を実施した。海自の戦術技量と米海軍との相互運用性の向上が目的。

 訓練は沖縄南方の海空域で行われ、海上自衛隊から護衛艦「ひゅうが」、米海軍から空母「カール・ヴィンソン」「エイブラハム・リンカーン」、巡洋艦「レイク・シャンプレーン」「モービル・ベイ」、駆逐艦「チャフィー」「グリッドレイ」「スプルーアンス」、強襲揚陸艦「アメリカ」「エセックス」、ドック型揚陸艦「パール・ハーバー」が参加。各種戦術訓練を実施した。

海上自衛隊ツイッターより

2022年1月23日(日)

トンガ追加派遣のC2輸送機が美保基地を出発

 ◯航空自衛隊美保基地(鳥取県境港市)からトンガへ向けて、火山灰除去に使う用具などを積んだC2輸送機1機が出発した。

 美保基地からは、22日にも飲用水を積んだC2輸送機が出発している。

2022年1月24日(月)

トンガに火山灰除去用具を輸送

 ◯国際緊急援助活動航空隊のC130輸送機が、トンガ王国に火山灰除去用の用具(高圧洗浄機など)を輸送した。

 C130は、オーストラリアのアンバレー空軍基地からトンガへ出発。現地では、人と人が接触しない形で緊急支援物資の受け渡しを行うため、隊員はトンガの人々への気持ちを背中に書いて伝達している。

豪空軍関係者と調整を行う空自隊員

背中に「TOMODACHI(ともだち)」の文字が見える
統合幕僚監部ツイッターより

輸送艦「おおすみ」がトンガへ出港

 ◯トンガ王国を支援する国際緊急援助活動統合任務部隊の輸送艦「おおすみ」は、緊急援助物資の搭載を完了して呉基地(広島県)を出港した。

 「おおすみ」は、重量や容量の大きい支援物資を中心に輸送。高圧洗浄機約60台、リヤカー約50台、一輪車約200台、ポリタンク約1900個、飲用水約10トンなど搭載し、トンガへ向け出港した。

統合幕僚監部ツイッターより

海上自衛隊 自衛艦隊ツイッターより

 到着は約2週間後を予定している。

井筒空幕長がフィリピン空軍司令官と会談

 ◯航空幕僚長の井筒俊司空将は、フィリピン空軍司令官のカンラス空軍中将とテレビ会談を行った。

 井筒空幕長は、昨年12月7日にフィリピン空軍司令官に着任したカンラス空軍中将に祝意を伝え、その後、両者は地域の情勢や日・フィリピン空軍種間の防衛協力・交流について意見を交換した。

 両者は、コロナ禍でも昨年、空軍種として初となる共同訓練を実現するなど日比空軍種間の協力が進展していることを確認。「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けた両空軍種間の取り組みをさらに推進していくことで一致した。

航空自衛隊ホームページより

自衛隊体育学校の冬季五輪参加選手が決意表明

 ◯岸信夫防衛大臣は、北京2022オリンピック冬季競技大会への出場を予定している自衛隊体育学校所属選手から、オリンピックに臨む決意表明を受けた。

防衛省・自衛隊ツイッターより

 決意表明はVTCにより行われ、岸大臣は選手を激励した。冬季オリンピックは2月4日から始まり、自衛隊体育学校からは、バイアスロンとクロスカントリースキーの2種目に7選手が出場する予定となっている。

大規模接種会場の準備開始式を公開

 ◯自衛隊は、1月31日からの新型コロナワクチンの東京大規模接種会場の運営開始に向けて必要な準備を進めるため、朝霞駐屯地準備開始式を行った。

 東部方面総監の森下泰臣陸将は、大規模接種センターに派遣される自衛隊の医官や看護官、会場運営を担当する隊員らおよそ130人に対し、「首都圏における国民に安全と安心を届ける作戦であり、極めて重要な任務である」と訓示。急ピッチで設営が進む会場の様子が報道陣に公開された。

防衛省・自衛隊ツイッターより

中曽根防衛政務官が群馬地本を視察

 ◯中曽根康隆防衛大臣政務官は、群馬地方協力本部を視察した。

 中曽根政務官は、地本長から概況説明を聞き、その後、広報官らと懇談。自衛官の募集・再就職支援などを行っている現場の生の声に耳を傾けた。

 続いて各課を視察し、地本部員に激励の言葉をかけた。

群馬地方協力本部ツイッターより

2022年1月25日(火)

山崎統幕長がトンガ支援でNZ国防軍司令官と会談

 ◯統合幕僚長の山崎幸二陸将は、ニュージーランドのショート国防軍司令官と電話会談を行い、トンガ王国の被災者支援について意見を交換した。

 両者は、トンガの1日も早い復興と持続的な発展のため、日本とニュージーランドが緊密に連携し、国際社会とともに活動していくことを確認した。

統合幕僚監部ツイッターより

 防衛省・自衛隊は、「日本は太平洋島嶼国の安定と繁栄に深くコミットしていく」としている。

山村海幕長が太平洋諸国海軍種多国間会議に参加

 ◯海上幕僚長の山村浩海将は、太平洋諸国の海軍種参謀長級が参加し太平洋諸国海軍種多国間VTCに参加した。

 会議には18カ国が参加し、コロナ禍にあっても非接触型の防衛交流が可能な海軍種の強みを活かし、今後も協力を継続していくことを確認した。

海上自衛隊ツイッターより

2022年1月26日(水)

第1空挺団が米軍機からの降下を訓練

 ◯陸上自衛隊は1月25、26日の両日、島嶼部への攻撃をはじめとする各種事態に実効的に対応するための能力の維持・強化を図るため、令和3年度第4回国内における米空軍機からの降下訓練を実施した。

 訓練は東富士演習場で行われ、第1空挺団(習志野)の隊員が米空軍の固定翼機からの降下を訓練。降下の経験回数を増やすことで、空挺作戦に必要な戦術技量の向上を図った。

防衛省・自衛隊ツイッターより

トンガ支援に向かう「おおすみ」の様子を公開

 ◯統合幕僚監部は、トンガへ向かって航行中の輸送艦「おおすみ」の船内の様子をツイッターで公開した。

甲板上に係留されたCH47輸送ヘリコプターの固縛状況を確認する隊員

派遣統合任務部隊指揮官の下、陸海の指揮官らが現地での任務実施要領などについて調整している様子
統合幕僚監部ツイッターより

 航海は約2週間続き、ツイッターで順次、船内の様子などが紹介されている。

2022年1月27日(木)

最大規模の日米共同統合演習が始まる

 ◯自衛隊の令和3年度日米共同統合演習(キーン・エッジ22)が、1月27日から始まった。

 平素から緊密な意思疎通を欠かさず、訓練などを通じて共同対処能力の強化を図る日米両国による最大規模の指揮所演習。強固な日米関係に基づき、日米双方が演習を行う中で、自衛隊と米軍の即応態勢を確認し、相互運用性の向上を図る。訓練は防衛省市ヶ谷地区、その他の演習参加部隊などの所在地、アメリカ合衆国ハワイ州パールハーバー・ヒッカム統合基地などで、2月3日まで実施される。

 自衛隊の参加部隊は下記のとおり。

(1)陸上自衛隊:陸上総隊、各方面隊など
(2)海上自衛隊:自衛艦隊、各地方隊など
(3)航空自衛隊:航空総隊、航空支援集団など
(4)共同の部隊:自衛隊情報保全隊、自衛隊指揮通信システム隊
(5)幕僚監部など:内部部局、各幕僚監部および情報本部

 日米両国の指揮官が演習に込めた願いと意気込みが、動画で公開されている。

日米共同統合演習(キーン・エッジ22)日米共同メッセージ

www.youtube.com

岸防衛相とポーランド駐日大使がウクライナ情勢を議論

 ◯岸防衛大臣は、ミレフスキ・駐日ポーランド大使の表敬を受けた。

 両者はウクライナ情勢を含む両国が抱える安全保障上の課題について議論するとともに、戦略的パートナーである両国の防衛協力・交流を一層深化させていくことの重要性を確認した。

防衛省・自衛隊ツイッターより

北朝鮮が短距離弾道ミサイル発射か

 ◯北朝鮮が午前、東部の咸興付近から北東方向の日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛翔体2発を発射した。

 飛行距離は約190キロ、最高高度は約20キロ。日本の領域や排他的経済水域(EEZ)への飛来、付近を航行する航空機や船舶の被害は確認されていない。

 防衛省・自衛隊は「昨今の北朝鮮による弾道ミサイルなどの度重なる発射は、日本を含む国際社会全体にとっての深刻な課題である。国民の生命・財産を守り抜くため、引き続き情報の収集・分析、警戒監視に全力をあげていく」としている。

鬼木誠(防衛副大臣)ツイッターより

大阪大規模接種の会場、決まる

 ◯鬼木誠防衛副大臣は、第3回大規模接種推進本部会議を持ち回りで開催し、自衛隊大阪大規模接種会場の設置場所を大阪市中央区の八木ビルとすることを決定した。

 大阪会場は2月4日(金)から予約を開始し、2月7日(月)から運営が開始される。

2022年1月28日(金)

コロナで一時中断のトンガ支援輸送任務を再開

 ◯トンガ王国を支援する国際緊急援助活動航空隊は、隊員に新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されたために一時中断していた輸送任務を再開するため、追加の派遣要員を出発させた。

 22日にトンガに支援物資を届けた隊員が、任務終了後に活動拠点となっているオーストラリアへ戻り検査を受けたところ、4人の感染が確認された。濃厚接触が疑われる隊員もおり、要員が不足する事態となったため、部隊は一時的に支援を中断していた。

 追加派遣隊員はC2輸送機で美保基地から出発。派遣隊員への感染リスクを局限まで抑えるため、手続きを行う要員は感染防護衣を着用して出国手続などを行った。

統合幕僚監部ツイッターより

東京会場の3回目接種予約がスタート

 ◯1月28日から、自衛隊が新型コロナワクチンの3回目接種を行う東京・大規模接種センター(大手町)の予約受け付けがスタートした。

 接種対象者は、第3回目のワクチン接種券を有し、2回目の接種から必要な接種間隔が経過している18歳以上の人。ワクチンは武田/モデルナ社製を使用する。

 当面は1日720回の接種態勢で運営し、2月7日以降は2160回態勢に拡大する予定となっている。

防衛省・自衛隊ホームページより