【2022年1月20日(木)2面】 今年、創設70周年を迎える海上自衛隊。山村海上幕僚長は本紙の「年頭の辞」(1月6日付)の中で、「変化に対して柔軟に適合し、全隊員が高い志と気概をもって任務を遂行する」と強い決意を述べた。厳しい安全保障環境の中、海自への国民の期待は大きくなるばかり。本日は、年末年始に寄せられた投稿をまとめた「海自特集」。海自本来の任務を側面から充実させるため、精鋭たちはさまざまな行事に取り組んだ。その熱き表情は、令和4年の任務にもつながり、さらにパワーアップするはずだ。防衛日報社では、今年も積極的に海自の活動を紹介していく所存です。

70周年は「コレ」でいきます

海上自衛隊ホームページより

 海自は創設70周年記念のロゴマークとキャッチフレーズをホームページで紹介している。

 海自によると、昨年9月8日から10月7日の間に募集。決定したロゴマークは、70周年の「7」が風を表現、「0」は日の丸を背にして進む護衛艦「こんごう」を海自の象徴として描いている。

 また、キャッチフレーズは「守る未来、つなぐ海」。制作者の「自衛隊が守っているのは、平和や豊かさだけでなく、限りない未来をも守り抜いていること、また、海自に対する国民の理解が深まり、守るために戦う姿勢が、海を波が伝わるように広がり、世界全体に平和がある未来を実現していきたい」との意図が込められているという。

海保と「メンタルヘルス勉強会」|海自14護衛隊

ともに「海を守る」ために

 14護衛隊(舞鶴)は11月26日、海自と海上保安庁の連携強化を踏まえ、第8管区海上保安本部(舞鶴)で船乗りに必要なメンタルヘルスに係る勉強会を実施した。出席したのは、2ミサイル艇隊司令の下岸2海佐、舞鶴地方総監部メンタルヘルス担当幹部の小川1海尉、護衛艦「あたご」、「あさぎり」、多用途支援艦「ひうち」所属のメンタルヘルス担当幹部。

 勉強会では、双方の組織で実施しているメンタルヘルス施策を相互に紹介。これからの人材育成のあり方や仕事との向き合い方などについて、活発に意見を交換した。特に、海保で行われている施策は、「職員の横のつながりを大切にしていること」「同期同士や別の勤務地の話しやすい人に相談すること」を奨励していることなどが紹介された。

 また、産業カウンセラーの資格を持つ松浦2等海上保安監からは、「海保でも、メンタルヘルスを強化することの重要性を認識しており、単に相談室を開放し、悩みがある人はいつでも、というスタイルでは利用しづらく、もっと積極的に職員にアプローチする方法が必要」「心理的安全性の確保が重要で、自分の発言が受け入れられるという安心感が職場などを活性化させる」などの貴重な意見があった。

 勉強会終了後、双方の参加者から「他省庁の施策を学べることは、貴重な機会」「このような活動は、定期的にどんどん実施してほしい」といった感想が多数寄せられた。

 京セラ名誉会長の稲盛和夫氏やメジャーリーグの大谷翔平選手らが熱心に学んでいることで注目されている日本の思想家、中村天風氏の「人生は心一つの置き所。心は川上、体は川下である」(心のあり方が身体の健康や人生にまで大きな影響をおよぼすという意味)という言葉がある。

 14護衛隊は「心のあり方やメンタルヘルスは、われわれだけでなく家族にとっても重要なこと。勉強会は、参加者にとって有意義なものとなり、今後の勤務の資となった。特に隊員の心身の健康などに関する知見普及、教育などを重視しており、引き続き、勉強会をはじめとする各種関連行事を積極的に企画、実践していきたい」としている。


◆関連リンク
海上自衛隊 第14護衛隊
https://www.mod.go.jp/msdf/efhq/reikabutai/14ed.html