第1回大規模接種推進本部会議(防衛省・自衛隊ツイッターより)

 【2022年1月18日(火)1面】 感染者が急増する新型コロナウイルス。自衛隊が運営するワクチンの大規模接種センターが再び開設される。1月12日には、設置された防衛省の接種推進本部(本部長・鬼木副大臣)の第1回会議が実施された。昨年、国民の接種推進に貢献したオペレーション。「第6波」の様相を呈する中、国民の平和な暮らしを守るため、その力を発揮する。

191日間の成果と教訓を生かして

 防衛省によると、推進本部ではこれまでに得られた知見なども利用。センターの設置場所、設置・運営開始時期などについて結論を出す予定。

 センターは昨年と同様、東京と大阪の2カ所に置く方向で調整しており、新たに会場の選定や契約手続きなどが必要になるため、開設時期は2月以降となる見通しだ。

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 昨年4月、当時の菅義偉首相が、ワクチンの接種を加速させるため、「最後の砦(とりで)」として自衛隊に託した前代未聞の事業。岸信夫防衛大臣も今年1月11日、全隊員に向けたメッセージ(動画)で大きくたたえた活動を再び、自衛隊が担うことになる。

 昨年5月24日から同11月30日まで、自衛隊が東京都と大阪府に設置し、運営した大規模接種センターでは、自衛隊中央病院、同阪神病院を中心に多くの部隊が従事した。

 防衛省によると、対特殊武器衛生隊、中部方面衛生隊、各師旅団衛生隊、各方面衛生隊、自衛隊病院、陸自衛生学校、海空自衛隊、防衛医科大学校の衛生要員など、全自衛隊による接種業務を遂行した。

 さらに、各種支援業務(会場設営・受け付け・誘導・案内など)を民間業者へ委託。医療行為全般では、医官や看護官らと民間の看護師らが協力するなど官民一体で実施。1日当たりの接種は、東京センターで1万回、大阪センターで5000回の接種能力の構築を決めた。 

 また、防衛省内では、副大臣を本部長とする「大規模接種対策本部」を設置。定期的に会議を開催して方針を定めるなど、全防衛省・自衛隊による運営体制を構築した。

 その結果、11月30日までの191日間、一日も休むことなく運営を継続し、東京センターで延べ約18万人、大阪センターで同9万7000人が活動。接種回数は、東京センターの約131万回、大阪センターの約64万回を合わせ、約196万回を数え、全国の総接種回数の約1%に上った。

 また、オペレーションで得られた知見や教訓を積極的に発信。大規模接種会場の設置を検討する自治体、職域接種を実施予定の企業や学校などの研修を受け入れ、動線の工夫やワクチン管理に係る知見などを共有し、その数は、東西で累計45団体に上った。


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