ドローンの発着位置等の選定
【2021年12月22日(水)2面】 <北海道>南恵庭駐3施設団(団長・河口陸将補)は11月4日から16日の間、令和3年度「演習場秋季定期整備」を実施した。整備では、新たな戦い方を生み出すチャレンジの一つとして、方面情報隊や地理情報隊の協力を得て、陸自で初めて災害派遣用ドローンを使った「空中3D測量」を行い、成功を収めた。
これまで、施設科部隊の施工のための測量は、人力により各種測量器材を使用して行うのみだったが、今回、災害派遣用ドローンに着目。「エンジニア・ドローン測量大作戦」として、空中で必要な地域を撮影し、方面情報隊や地理情報隊の協力を得て3D化するとともに、土量計算や高低差測量などを実施した。
このチャレンジで使用したのは、3施設団の隷下部隊である12施設群が保有する「災害派遣用ドローン」。今回、飛行要領や地上のマーキングなどの工夫により空中3D測量に成功し、所要時間も大幅に短縮されるとともに、高い精度を示した。
また、データは陸自クローズドクラウド正蒼院の地図ソフト「Ark-GIS」で運用できることを実証し、陸自各部隊で使用できることも確認した。
チャレンジを担当した団本部建設班長の小笠原1陸尉は、「最初はどこまでできるのか疑問だったが、結果的に高い精度に驚いた。情報科部隊と協力することにより、施設科部隊の活動の幅が広がることもよく分かった。今後、各種工事だけでなく、陣地構築の設計などにも使用していきたい」と語った。
3施設団は「ドローンは天候に左右されることもあり、ハイローミックスの観点から従来の地上測量の能力も維持向上していきたい。その上で、今回のチャレンジをゼロカジュアリティのための第一歩として位置づけ、引き続きチャレンジを続けていく予定だ」としている。