【2021年11月19日(金)1面】 「防災」は身近に感じているテーマなのに、意識は人によって差がある。全国の地本では、教育や講話などさまざまな活動を実施し、募集や自衛隊への周知、理解につなげることはもちろん、防災意識の向上にも貢献している。こうした防災をめぐる投稿は、常に寄せられる。投稿内容からは、活動を通して受ける側の表情や意識も少しずつ変化しているようにも見える。それこそが、災害から日本を護(まも)り、わが身を守るという意識にもつながる。とくに、中高生ら若い世代には、防災にかかわることは重要な経験となる。防衛日報では、防災をテーマとした地本の活動に敬意を表し、これまで以上に多く紹介していきたい。
【教育&講話】中学校で装備品展示|岩手地本
岩手地本盛岡募集案内所(所長・田代1陸尉)は10月28日、紫波町立紫波第三中学校で「体験型防災教育」を支援した。教育は、同校の要請で行われ、3年生27人、教諭5人が参加。盛岡所は、「防災講話」「装備品展示」「地域安全マップ作成へのアドバイス」を支援した。
防災講話では、田代所長が自衛隊の災害派遣の概要、想定される災害の概要などを説明。同校の学区は山沿いの立地であるため土砂災害への警戒が必要との説明に対し、生徒からは「大雨時には、常に土砂災害の危険性を頭に入れながら行動したい」との感想が寄せられた。
講話後は、地域安全マップ作成と装備品見学を行った。マップ作成時には生徒自ら、防災マップ上に自宅、避難所、避難経路、通学路をマーキング。広報官によるアドバイスを参考にしながら、熱心に図上研究に取り組んでいた。並行して行った装備品展示では、パジェロへの乗車などを体験しながら自衛隊の活動について理解を深めていた。
教育後、生徒からは「地図上で避難経路を研究したのは初めての経験だったが、広報官の方のアドバイスで災害時の避難行動のイメージアップができた。今後、家族と一緒に避難経路場所を確認するなど防災準備を一歩進めたい」との言葉が寄せられた。
岩手地本は「引き続きあらゆる機会を通じ、地域と密接な連携を図りつつ、自衛隊の認知度の向上に向けて邁進(まいしん)する」としている。
【教育】災害派遣の映像を紹介|佐賀地本
佐賀地本(本部長・古賀1陸佐)は10月28日、唐津西高校で実施された防災教育を支援した。防災教育は、主に同校の1、2年生約320人が対象。地本は昨年に引き続き支援を行った。
支援はまず、防災講話として災害が起きた場合に自衛隊が行う人命救助活動などの様子を、実際の災害派遣の映像を見ながら説明。その後、毛布と棒を活用した簡易補助担架の作成方法、災害時などに役立つロープの結び方、缶詰を缶切りを使わずにコンクリートの床で削って開ける方法の体験を行った。
また、16普連(大村駐)の協力により、3 1/2トントラック、野外炊具1号、1 1/2トン救急車の展示を行い、珍しい車両を見た高校生たちは興味津々で荷台に乗り込んでいた。
教育を受けた生徒からは、「学んだことを、災害が起きた時に率先してやりたい」「今回の経験を生かして、まわりの人にも広めていきたい」などの感想を聞くことができ、有意義な体験となった様子だった。
佐賀地本は「佐賀県では一昨年、今年と大雨による災害が発生しており、今回のような支援を通して災害への意識の高揚を図っていく」としている。