【2021年11月16日(火)2面】 岩手駐東北方面特科連隊(連隊長・香川1陸佐)は10月9日から27日の間、令和3年度「方面訓練検閲」を受閲した。訓練検閲は、連隊が新編されてから初の受閲で、万全の態勢を確立して臨んだ。
新編された東北方面特科連隊は、岩手と福島に分かれて駐屯しているため、特に部隊の団結強化と認識の統一を図るため、幾度となく厳しい訓練を積み重ねてきた。
検閲受閲にあたり、連隊長は要望事項「ONE TEAM」「任務必成」を掲げ、隊員たちは、具現・実行するため思いを一つに一丸となって検閲に臨んだ。
実射検閲では、現有の編成装備を最大限に活用することに着意。王城寺原演習場の射撃陣地に連隊の全火砲を展開して実弾射撃を行った。全火砲による実射検閲の受閲は初めての試みであり、その弾着景況は圧巻の光景だった。
また、検閲に向け射撃の精度、速度の向上に飽(あ)くなき努力を傾注し、連隊の全隊員が「ONE TEAM」となり、練度を向上させることができた。
実射に引き続き実施した戦術行動では、青森、岩手、宮城と3つの地域に分散し、それぞれの地域で与えられた防御戦闘の任務を遂行した。各部隊は、東北方面特科連隊の「意地とプライド」にかけて、一切の妥協を排した偽装や敵を欺(あざむ)く 偽りの施設の構築、命令下達などの行動を行うとともに、強靭(きょうじん)な陣地を構築して任務を完遂した。
この際、敵の遊撃部隊(ゲリラ)に対する警戒心を継続させ、幾度となく潜入する敵を排除、捕獲した。また、隊員の家族からの手紙やVTRの上映により士気を高揚させることにも着意し、疲労困憊(こんぱい)の中でも士気高く行動することができた。
検閲で士気と練度の高さを披露し、「東北方面特科連隊ここにあり」と存在感を見せつけ、連隊の歴史に輝かしい第一歩を刻んだ。
東北方面特科連隊は「今回の評価におごることなく、今後取り組むべき課題を洗い出し、さらなる練度の向上を図り、強靭であらゆる任務を必成することができる最強の部隊を目指し、『ONE TEAM』を合言葉に一丸となって邁進(まいしん)していく」としている。