この夏も地本は、さまざまな募集広報活動に奔走した。コロナ禍という制約を受ける中、活動状況を紹介してきた2021夏限定企画「志願者獲得へ―地本の暑い夏」最終回のテーマは「部隊とともに」。艦艇広報、体験搭乗、基地や駐屯地見学、車両展示…。部隊の支援を受け、地本はイベントを実施、開催した。7月の大雨から一転し、酷暑が続いた8月。実施された内容を伝える投稿には、コロナ対策を徹底するとともに、暑さをも吹き飛ばす地本の奮闘ぶりが見えた。企画の総決算として、ジャンル別に紹介する。

広島地本

 広島地本(本部長・鷹尾1海佐)は7月31、8月1の両日、広島市南区宇品で護衛艦「いなづま」体験航海および艦内見学と、陸空自の支援を得て各種艦艇広報を行った。来場者は、体験航海に63人、艦内見学に250人を含め、2日間で1900人を超えた。

 7月31日、「いなづま」をひと目見ようと多くの来場者がその姿をカメラに収めていた。体験航海・艦内見学では、幹候出身者や各部隊からバランスよく選出した説明要員を配し、乗艦者の質問に丁寧に対応。入出港時には、アナウンスで作業の様子を分かりやすく解説。港に足を運べない人には、会場の様子をSNSによりリアルタイムに発信し、多くの温かいコメントが寄せられた。

 埠頭では、指揮通信車、オートバイ、短距離地対空誘導弾などの展示、陸海空の広報ブース、ミニ制服の試着、高機動車の体験搭乗などを行い、特に西空移動広報班は空自基地のない広島での空自の強力なアピールを行うなど、盛りだくさんの内容で会場を盛り上げた。

 8月1日は、自衛隊旗の掲揚に合わせて早朝から予想を上回る60人余りが来場。ふだん見る機会のない自衛隊旗掲揚の様子に触れ、厳正な雰囲気の中、感動を隠しきれない様子であった。

 来場者らからは「隊員の皆さんがとても親切で、明るくすごく楽しかった」「コロナ禍にもかかわらず、このようなイベントを開催してもらい、ありがとうございます」などの心温まる声が聞かれた。

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山形地本

 山形地本(本部長・白石事務官)は8月6日から8日の間、酒田北港古湊埠頭で海自艦艇の特別公開を行った。特別公開は、海自基地のない山形県で、海上自衛官との交流を通じて、海自の理解の促進と募集基盤の拡充を図るのが目的。募集対象者や家族らを対象に、酒田北港へ初入港となる8護衛隊の護衛艦「はぐろ」の支援を受けた。

 はぐろは、今年3月に就役した最新鋭のイージス護衛艦で、山形県の羽黒山が艦名の由来。6日の入港時には、酒田飽海地区自衛隊協力会が主催する入港歓迎式が挙行され、山形県に由来する護衛艦の11年ぶりの入港に花を添えた。

 7、8の両日は、募集対象者らを対象とした特別公開を行い、2日間で約390人が来場した。地本での感染症対策として、参加者に2週間前からの検温、当日の受付の際の検温を実施。はぐろ艦内では、定期的に消毒を実施した。

 また、特別公開と併せて海自2航空群から山形県酒田市出身の恋塚2海尉の支援を得て航空学生の制度説明を行い、対象者らの理解を深めた。

 山形地本では、「普段、海上自衛隊(官)と接することの少ない山形県民に海自を知ってもらう絶好の機会とし、今後とも艦艇公開を最大限に活用し、募集対象者の獲得を目指していきたい」としている。

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熊本地本

 熊本地本(本部長・橋本1陸佐)は8月7、8の両日、「くまモンポート八代」で海自13護衛隊護衛艦「じんつう」と陸自8師団の協力の下、艦艇広報を実施した。

 くまモンポート八代は、九州中央における世界最大級クルーズ船の受け入れ拠点として昨年3月、熊本県が建設した観光施設。イベントは高校生以上の学生とその同伴者を対象にSNSなどで募集し、約200人が来場した。

 初日。参加者たちは約20分間、艦内を見学。広報係士官から護衛艦の役割や装備などについて説明を受け、艦艇の迫力を肌で感じた。参加者からは「出港期間はどれくらいか」「じんつうの威力は」などの質問があり、艦艇に対する関心の高さがうかがえた。

 艦艇入り口に開設した募集広報ブースでは、来場者を地本広報大使と迷彩エアーくまモンが出迎え、各種災害派遣活動のパネル展示、陸海空の各広報員が自衛隊をPRした。海自の女性広報員に説明を受けた女子学生からは、「空自志望だったが、海自も魅力的で悩む」など、海自への興味、関心の声も聞かれた。

 終了時、来場者へじんつうから「護朱印」、地本からオリジナル缶バッジがプレゼントされた。2日目は、台風9号の接近により少し雨の影響を受けたが、「次のイベントも参加したい」と前向きな声があった。

 熊本地本は「学生たちの笑顔に触れ、艦艇広報の人気と重要性を再認識する良い機会となった。今後も地域と一体となり、各部隊と密接に連携し、各種広報活動を推進していく」としている。

※橋本本部長の「橋」は、正しくは旧字となります。


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新潟地本

 新潟地本(本部長・大倉1陸佐)広報室は8月7、8の両日、新潟東港で護衛艦「みょうこう」の艦艇広報を実施した。新潟県「妙高山」にちなんで命名されたみょうこうは、2年振りの里帰り。今回はコロナ禍の影響で艦艇内の見学は人数を制限し、特別公開で行われた。

 特別公開にあたり、新潟を拠点として活動するアイドルグループ「NGT48」のメンバー、藤崎美夢さんが一日艦長として乗艦し、会場を盛り上げた。

 乗船前には、堀内海士長扮する「みょうこうちゃん」から艦艇の説明や乗船前ブリーフィングがあり、その奇抜ないでたちが注目を集めていた。

 その後、40人程度のグループごとに乗船。船室、艦橋などの設備のほか、ミサイルの垂直発射機や速射砲などの兵装を見学した。

 参加者からは「艦艇がとても大きくて驚いた」「色々な兵装が搭載されていて、とても驚いた」「いつも日本の海を守ってくれてありがとう」といった声が聞けた。

 岸壁では、地本の広報ブースを開設。ガラポン抽選会やスタンプコーナー、制服の試着コーナーで来場者は楽しんでいた。また、新潟救難隊も広報ブースを開設し、各種装備品を展示した。

 新潟地本は「今後も艦艇広報を積極的に行い、海自艦艇の役割の理解を深めてもらうとともに、頼りがいのある自衛官をアピールしていきたい」としている。

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