【北海道】倶知安駐(司令・髙橋2陸佐)は3月23日、令和2年度「全自衛隊美術展・絵画部門」で内閣総理大臣賞を受賞した同駐業務隊の野原恵一朗防衛技官に対する伝達式を実施し、業務隊隊長の河本2陸佐が菅首相からの賞状とトロフィーを手渡すとともに、記念撮影を行った。また、4月5日の駐屯地朝礼で、野原技官の受賞を駐屯地隊員一同がたたえた。
受賞作は、野原技官が昨年3月まで勤務していた別海駐の近く(清里町)にある池を描いた絵画作品「神の子池」。摩周湖の伏流水でできている神の子池は、日が差すと水面がコバルトブルーに輝き、水が澄んでいて底までくっきり見えることで知られ、観光スポットになっている。
野原技官は制作の動機について、「初めて見たその瞬間、美しい水の青さに感動し、描いてみようと思った」と述べた。
全自美術展は2年に一度実施されており、野原技官は平成30年度に初めて応募した絵画「我ら道東第一線」で審査員特別賞を受賞。今回、2回目の応募で内閣総理大臣賞を受賞した。
審査員を務めた画家の大谷喜男氏は、「沈み込む倒木、水面に映る木々や浮かぶ落ち葉、差し込む光。画面下のクマ笹から森林の奥行きまで、見事な写生で、小さな島のような部分も利いている。この場所に出会った感動がみずみずしく表現されており、観察力、描写力に優れている」と作品を高く評価した。
野原技官は「これからも北海道の素晴らしい自然をモチーフにして、絵画の楽しさを少しでも多くの人に伝えられるよう創作活動を続けていきたい」と話している。