陸自唯一の冬季遊撃教育 参加全隊員に遊撃徽章｜陸自冬季戦技教育隊

　【北海道】真駒内駐冬季戦技教育隊（隊長・中塚1陸佐）は1月10日から2月26日の間、「第12期幹部・上級陸曹特技課程冬季遊撃教育」を実施した。教育は「積雪寒冷地における遊撃行動に必要な知識と技能を習得させ、併せて当該職務に必要な資質を涵養する」のが目的。

　敵地で独立した小部隊が、冬季の過酷な環境下で襲撃・伏撃などにより敵戦闘力の減殺、戦闘力発揮の妨害、情報活動などの遊撃行動を行う場合、夏季のレンジャー教育を履修しただけでは十分な能力を発揮することができない。このため、冬季戦技教育隊では陸自唯一の冬季遊撃教育を実施している。

　冬季戦技教育は、厳冬期にあたるニセコ地区で前段教育を実施。山岳気象、遭難者救出法、冬季衛生、山岳スキー技術、雪中露営などの各種知識や技能を習得させた。その後、北海道大演習場で後段教育を実施し、爆破、襲撃・伏撃などの戦闘行動について訓練。最後に4夜5日にわたる連続状況の総合訓練を実施し、2カ月半に及ぶ教育を終えた。

　教育間、各隊員は教育担任官の中塚隊長の要望事項である「己に勝ち、自然に勝ち、敵に勝て」を具現化し、参加全隊員が遊撃徽章を獲得した。

　冬季戦技教育隊は「彼らは今後、それぞれの部隊で冬季の行動における遊撃隊員や指導者、助言者などとして大いに活躍してくれるだろう」としている。