新年おめでとうございます。

 新型コロナウイルス感染症は、各国の社会経済全体に影響を及ぼしており、国際社会が連携して対応すべき課題となっています。一方で、わが国周辺の安全保障環境に目を向けると、周辺には、質量に優れた軍事力を有する国家が集中し、軍事力のさらなる強化や軍事活動の活発化の傾向が顕著となっています。

 このような情勢の中、海上自衛隊は、「変化への適合」を図りつつ、わが国の平和と安全を守るとともに、自由で開かれたインド太平洋の実現のため、活動を継続して参りました。中東・ソマリア沖・アデン湾方面においては、従来の海賊対処活動に加え、昨年1月から情報収集活動を開始し、当該海域で護衛艦2隻および哨戒機2機が常時活動を継続しています。また、コロナ禍において、遠洋練習航海部隊が北極圏を航行し、海上自衛隊は7つの海すべてを航行することとなりました。

 海外での活動が最も多かった9月には、北極圏、ハワイ、グアム、インド洋方面と、4方面に同時に部隊が展開し共同訓練などに参加しました。中東・ソマリア沖・アデン湾方面の活動を加えると、コロナ禍において、一時的ではあるものの、約2800人の隊員が日本国外において活動をしていたこととなります。

 装備や施設といったハード面としては、昨年10月に新型潜水艦「たいげい」と新しいタイプの護衛艦「くまの」が進水するとともに、海上作戦センターが開所し運用を開始しました。

 海上自衛隊は、わが国を取り巻く環境の変化に対して柔軟な思考をもって適応すべく、「精強・即応・変化への適合」の旗印の下、引き続き誇りある任務・業務を進めていく所存ですので、本年も皆様からのご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 結びに、皆様のご健勝とご多幸を祈念し、新年のごあいさつとさせていただきます。