新年明けましておめでとうございます。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、安全保障面にもさまざまな影響をもたらしました。自衛隊は、大規模な感染症対応や令和2年7月豪雨において、コロナ禍での災害対応を実施しましたが、災害派遣に従事した隊員から1人の感染者も出すことなく、任務を完遂することができました。

 このような中でも、中国の軍事活動の拡大・活発化や尖閣諸島周辺における力を背景とした一方的な現状変更の試みなど、周辺国の活発な軍事活動に変化はなく、警戒監視、対領空侵犯措置などの任務に万全を期して参りました。

 本年も、「わが国の平和と独立を守り、領土・領海・領空を守り抜く」という自衛隊の使命を果たすため、各種任務を遂行するとともに、「多次元統合防衛力」の構築および「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に邁進まいしん致します。このため、引き続き、陸海空の従来領域の能力強化に加え、宇宙・サイバー・電磁波の新領域を含め、領域横断作戦に必要な能力の強化を推進します。

 また、事態の特性に応じた活動の継続的な実施を可能とする統合輸送能力や各種情報通信などの基盤整備を継続し、統合運用を支える能力のさらなる強化を図って参ります。加えて、わが国の防衛力を主体的・自主的に強化しつつ、幅広い分野における日米共同対処能力の強化を図り、日米同盟をより一層強化するとともに、米豪印をはじめとする普遍的価値やルールを共有する友好国との連携強化を図ります。この際、能力構築支援や防衛装備・技術協力などといった幅広い手段の効果的な活用に努めます。

 最後に、陸海空自衛隊が一丸となり、日々の隊務に精励することをお誓いするとともに、本年が皆様にとって幸多き一年となりますようご祈念申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。