社会人や学生としてそれぞれの本業を持ちながら、有事の際には防衛・災害招集により出頭する「予備自衛官等」。その中で、第一線部隊の一員として任務につく即応予備自衛官を雇用する企業主らを集めた研修(見学会)が8月29日、各地で行われた。

中隊長が懇談で謝辞|新潟地本

 新潟地本(本部長・大倉1陸佐)は8月29日、関山演習場で即応予備自衛官雇用企業主研修を実施した。相馬原駐48普連の支援を得て、1社の企業主ら3人に即自の招集訓練を見てもらい、即自制度への理解促進を図った。 

 最高気温が33度を超える暑さの中、48普連は迫撃砲実弾射撃と小銃戦闘射撃などを訓練。即自たちは汗を流し、真剣に取り組んでいた。

 企業主らは、昼食後の休憩時間に自社の即自を交えて訓練担当中隊長と懇談。中隊長は、日ごろの理解と協力に対して謝辞を述べた。

 研修後、企業主は、「職場でコミュニケーションを大切にし、常に積極的な即自隊員社員の姿勢は、この厳しい訓練で培われていることが分かった。今後も訓練や災害派遣の招集があれば、参加をサポートしていきたい」と話していた。

 新潟地本は「引き続き、即自雇用企業主研修を通じて、即自制度への理解向上を図り、新規採用と充足に努めていく」としている。


◆関連リンク
自衛隊 新潟地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/niigata/

陸上自衛隊 東部方面隊の紹介
東部方面混成団 - 第48普通科連隊
https://www.mod.go.jp/gsdf/eae/eastern/east_orga.html


「即自を頼もしく感じた」|京都地本

 京都地本(本部長・亀井1陸佐)は8月29日、今津駐とあいば野演習場で実施された即応予備自衛官の訓練公開に雇用企業2社の企業主ら3人を案内した。即自は普段、企業で働きながら年間30日の訓練に出頭するため、雇用企業の理解を得るのが目的。訓練公開は、豊川駐49普連が実施し、自衛隊への理解促進と即自制度のさらなる充実を図った。

 3人は迫撃砲射撃訓練の見学、74式戦車の体験試乗、体験喫食などを行った。

 参加した雇用企業主らは、「今回初めて参加したが、実際に演習場での見学や戦車試乗により、普段できない貴重な経験ができた」「即自を頼もしく感じた」と話していた。

 京都地本は「今後も部隊と連携し、即自制度のさらなる理解促進を図り、優秀な人材の獲得に努めていく」としている。


◆関連リンク
自衛隊 京都地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/kyoto/

陸上自衛隊 今津駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/3d/imadu/

陸上自衛隊 第49普通科連隊
https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/macb/49i/index.htm

陸上自衛隊 豊川駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/10d/butai/sta/toyokawa/


大臣認定、累計365社に

 ~予備自衛官等協力事業所表示制度~

 防衛省は予備自衛官や即応予備自衛官などを雇用し、社会貢献を果たしている事業所を認定する「予備自衛官等協力事業所表示制度」を実施している。

 申請があった事業所の中から、予備自や即自の雇用人数、継続的な任用、訓練参加への配慮などを総合的に判断して地本長が認定する地本長認定、その中からさらに国防において顕著な功績がある事業所を防衛大臣が認定する防衛大臣認定の2つがある。

 令和元年度は全国で新たに78社が大臣認定事業所に加わり、累計で365社となっている。

 予備自、即自の災害派遣出動は大きな災害でのケースが多く、平成28年の熊本地震では約160人の即自が生活支援活動に従事。以後は、30年の7月豪雨=即自約310人▽同年の北海道胆振(いぶり)東部地震=即自約250人▽令和元年の東日本台風(台風19号)=即自と予備自約410人。

 今年は、自然災害以外でも新型コロナウイルス感染拡大防止で医師、看護師などの資格を持つ予備自10人が出動している。


◆関連リンク
防衛省・自衛隊
https://www.mod.go.jp/

陸上自衛隊: 予備自衛官制度
https://www.mod.go.jp/gsdf/reserve/

予備自衛官補|自衛官募集ホームページ|防衛省・自衛隊
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/recruit/15.html

 <防衛日報 2020年10月14日(水)1面>