新年おめでとうございます。皆様におかれましては、希望に満ちた輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて、我が国を取り巻く安全保障環境は、より一層複雑化し、不確実性が増大しています。また、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域の脅威が現出し、かつてないほど厳しい状況と認識しております。
このような中、昨年は、統合運用態勢の実効性を向上させるため、3月に陸上総隊、教育訓練研究本部及び水陸機動団の新編、第8師団・第14旅団の機動師・旅団への改編等を行い、「即応機動する陸上防衛力」を具現する新たな体制の骨格を整備しました。
本体制の下、我が国の平和と独立、国民の生命と財産を断固として守るため、日夜厳しい訓練に励むとともに、7月の西日本豪雨及び9月の北海道胆振東部地震を始めとする自然災害に即応性をもって対処し、国民の負託に応えることができました。
また、米陸軍及び米海兵隊との共同訓練や防衛交流を通じ日米同盟の強化を図るとともに、国際社会の平和と安定に貢献し得るよう、ジブチへの派遣海賊対処行動支援隊の派遣、ケニア及びベトナムにおける国連PKO支援部隊早期展開プロジェクト等を始めとする陸上自衛隊ならではの活動を行い、国際社会の平和と安定に貢献しました。
本年は、現在取り組んでいる「陸上自衛隊創隊以来の大改革」を引き続き推進するととともに、昨年末に策定された新「防衛計画の大綱」等に示す多次元統合防衛力を実現する陸上防衛力の構築に着手する所存です。
また、本年は天皇陛下のご退位及び皇太子殿下のご即位等の国家的な行事があり、陸上自衛隊に与えられる任務を着実に遂行したいと思います。
新年にあたり、時代の変化に的確に対応し、国家、国民の負託に応えるため、改めて日々の隊務に精励することをお誓いするとともに、皆様にとり本年が幸多い年となることを祈念申し上げ、ご挨拶と致します。