自衛隊札幌病院(病院長・大鹿陸将)は1月23日、平成30年度衛生科幹部等集合訓練(第62回北部防衛衛生学会)を行った。
学会長の大鹿病院長は学会のテーマ「北部方面隊の衛生支援を考える人的戦闘力の維持・増進」を宣言し、「積極的な議論による『何か』を各部隊へ持ち帰って欲しい」と述べた。
北方総監の田浦陸将は「隊員達の使命感とストレス」と題した講話において、指揮官として参加した国際平和協力活動時や災害派遣活動時のエピソードなどを交え、任務を果たす気概に満ちた隊員の「健康情報共有の重要性」や「心が疲弊した際の対応」、それとともに指揮系統とは別の専門的見地から横串を入れる衛生科に対する期待について話した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士、金井宣茂さん(防衛医科大学校第23期)は、「過酷な環境に耐えるためのセルフマネジメント」と題した教育講演において、宇宙空間における船外活動や重要ミッション遂行時の体験談、希望を夢で終わらせないための心構えなどについて講演した。
北海道大学大学院医学研究院消化器外科学教室Ⅱ(医学教育推進センター)教育助教の村上壮一さんは、「外傷診療におけるシミュレーション教育」と題して、識能向上の礎となる「興味」をいかに持たせるかについて特別講演を行った。
一般演題には8部隊が参加。北千歳駐業衛生科の「“適材適所”実現を目指す個人特性把握の試み~臨床心理士と部隊S1の協働から~」と、帯広駐業務補給科の「若年隊員に対する自己管理能力付与(動機付け)に関する取り組み~自衛官候補生を対象とした栄養教育内容の検討~」が優秀演題として表彰された。
また特別演題として7後支連衛生隊長の小野2陸佐ら3人が「北海道胆振東部地震災害派遣の教訓と提言」のテーマで最前線の様相や教訓事項などを発表した。
最後に7人が「メディカルレディネスを考える」をテーマにパネルディスカッション。参加者の一人は「今後、派遣隊員の心身の健全性を保ち、部隊の任務完遂に寄与するための資としたい」と話していた。
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