久留米駐西方混団第5陸曹教育隊(隊長・山﨑1陸佐)は5月22日、新たな課程教育の「陸曹中級課程」を開始し、入校した132人が7月5日に卒業した。中級陸曹とは2陸曹の異称。

 学生たちは、6月17日から21日の間、長崎県の大野原演習場で教育の総仕上げとなる野営訓練を実施するとともに、総合訓練では約20キロの背のうを背負って夜間行進訓練を行った。引き続き行進経路を警戒する前衛の行動を実施した後、中隊として集結地を占領し、敵部隊の襲撃から集結地を守る警戒・自衛戦闘を繰り広げた。学生たちは小隊長や分隊長などの役職を与えられ、リーダーシップや状況判断力の向上に努めるとともに、忍耐力や協調性を涵養した。

 24普連の井植(いうえ)2曹は「入校当初は不安だったが、係勤務を通じて区隊の運用に携わり、総合訓練で前衛分隊長として分隊を指揮して自信がついた」と述べた。135地区警務隊の高橋2曹は「中級陸曹としての理想像について考えさせられた。すべては『国防』という任務に基づいており、任務を達成できる部隊となるためには、まず自分の識能を向上させるとともに、部下を育成しなければならないと考えるようになった」と話した。

 中級陸曹の教育はこれまで陸曹教育隊以外の部隊が行い、全国的に統一されていなかったが、陸自の役割が多様化するとともに、部隊の新編などに伴い、陸曹の異動が常態化。そのため部隊活動の原動力となる中級陸曹の識能向上を図り、各方面隊の陸曹教育隊に陸曹中級課程を新設して統一した教育を行うことになった。この課程ではリーダーシップや状況判断力、論理的な思考力、基礎的な戦術能力、教育技法、自己管理などを重視した教育を行う。

 5陸曹教育隊は「今後も継続的に教育内容の充実・工夫を図り、部隊活動の原動力たる有為な陸曹を育成し、陸自の精強化に寄与していく」としている。


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