松本駐13普連(連隊長・伊藤1陸佐)は8月29日、30日の両日、新隊員特技課程の35キロ夜間行進を実施した。

 明治41年に松本市に駐屯した松本歩兵50連隊が大正6年に600人で登頂に成功し、「山岳連隊」と呼ばれるようになった伝統を受け継ぎ、13普連はスキーやレンジャー、山岳戦技訓練などを乗鞍岳で実施している。

 新隊員50人は訓練にあたり、何日も前から駐屯地で高標高地での行動に必要な様々な知識を学び準備を整えた。当日、低気圧の接近による厳しい環境の中、新隊員は、標高1500メートルにある乗鞍高原バスターミナルへ移動。17時に行進を開始し、山頂を目指し約10時間、標高差1500メートルの急登に挑んだ。行進間は豪雨、星空、濃霧、強風と目まぐるしく変化する山の天気に加え、高山病や低体温症にも注意しながらの行進。30日朝4時頃には標高2800メートルにある「肩の小屋」に到着した。

 乗鞍岳山頂には区隊長以下2人の斥候が先行し、山頂の情報を収集。「新隊員には厳しい」との判断で山頂への行進を断念し下山することとなった。新隊員は「山頂に行けなかったのがとても残念ですが、この訓練を通じて多くのことを学び、自分も山岳連隊の一員であることを自覚できました」と話した。


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陸上自衛隊 松本駐屯地
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