10月12日から13日未明にかけて、台風19号が東日本の広い範囲に記録的な大雨をもたらし、各地の河川で堤防が決壊するなど甚大な被害が続発した。自衛隊は1都10県から災害派遣要請を受け、河野太郎防衛大臣は13日、陸上総隊司令官を指揮官とする統合任務部隊を編成。隊員約3万1000人が被災地域に出動し、現在も懸命に行方不明者の捜索や生活支援を続けている。

 自衛隊は12日午後8時30分、陸自2施設団長が宮城県知事から災害派遣要請を受けたのを皮切りに、栃木、静岡、長野、東京、福島、茨城、岩手、群馬、埼玉、神奈川の1都10県の知事から災派要請があった。13日、河野防衛大臣は、陸上総隊司令官、高田克樹陸将を指揮官とした統合任務部隊を編成。隊員3万1000人、艦艇8隻、航空機約130機の態勢を確立した。統合任務部隊の編成は、平成28年の熊本地震以来だ。

 宮城県では2施団(船岡駐)や22即機連(多賀城駐)の隊員たちが、丸森町上林や稲葉地区などで冠水により孤立した住民を救助した。

 福島県では44普連(福島駐)、2施団(船岡駐)、6特連(郡山駐)の隊員たちが郡山市、二本松市などでの浸水地区で人命救助、行方不明者捜索を行った。

 千曲川の氾濫で甚大な被害が出た長野県では、ヘリコプター13機を出動させ、13普連(松本駐)などの隊員たちが住宅に取り残された住民の救助活動を行った。

 14日午後、政府は災害派遣活動の長期化が見込まれることから、閣議で予備自衛官と即応予備自衛官の招集を決定。河野大臣が15日、招集命令を派出した。予備自の招集は東日本大震災以来2回目、即自の招集は北海道胆振いぶり東部地震以来5回目。当面は200人態勢で活動し、被害状況に応じて最大1000人に増員するとしている。

 17日までの活動実績は、人員約3万1000人、21都県の自治体や東京電力本社など272カ所に連絡員590人を派遣、被災者2043人を救助した。


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