2019年春入隊した「自衛官候補生」にインタビュー!

船尾 拓也(ふなお たくや)
32歳 海上自衛官候補生 横須賀教育隊第31分隊 福島県郡山市(2019年5月22日当時)

どうして自衛官になろうと思ったのですか?

 2011年3月、宮城県仙台市にある大学院の修了前に東日本大震災が起き、住んでいたアパートで被災しました。テレビニュースで災害派遣された陸上自衛隊の活動を見て、頼りになる存在だと感じました。大学院で学んだ物理学を生かし、修了後は光分析装置のメーカーに就職しました。この春まで8年間勤務してきましたが、自然災害や海外情勢のニュースを目にするたびに「日本のために自衛官として働きたい」との思いが強くなっていきました。2018年10月に自候生採用年齢の上限引き上げについて知り、ラストチャンスと思って受験しました。

どんな自衛官を目指していますか?

 海が好きで海上自衛官になりました。現時点では、情報か航空機に関する職種を希望しています。これから潜水艦や航空機実習があり、実際の職場を見学して様々な職種の違いを理解した上で、最終的な希望を出すつもりです。近年は特に情報戦が重要で、仕入れた情報を的確に処理し、相手より優位に立つことが求められていると感じます。あらゆる分野の情報がインターネットに通じている今、情報を早く適切に伝えることで艦艇や航空機の乗員をサポートしたいと考えています。民間企業での経験や知識を「情報をまとめる力」として生かせればと思います。

これまで頑張ってきたことは?

 「適当」という言葉を大切にしています。「行き当たりばったり」ということではなく、その時と場合で「適して当たる行動を取る」という意味です。中学1年時の担任の先生から教わりました。この言葉を胸に、自分が与えられたことに全力で取り組み、最善の結果を出すよう心掛けています。どんなことがあっても笑顔を絶やさず、周りの人に安心感を与える人でありたいと思ってきました。東日本大震災で福島県の実家は幸いにも被災を免れましたが、亡くなった友人もいます。友人のためにも懸命に生き、自衛官として頑張っていきます。

どこの地方協力本部で、どんなサポートを受けましたか?

 2018年秋に採用年齢の上限引き上げのニュースを知った後、すぐに神奈川地方協力本部に電話しました。後日、試験についての説明をはじめ、職種ごとの特色や勤務地、給料や福利厚生などについて教えてもらいました。私の場合は転職の必要があった上に、夫婦同居の生活と入隊後の生活がどのように変わるのかが心配でした。自衛官になれるという期待の一方で不安もありましたが、広報官が親身になって相談に乗ってくれて、質問に一つ一つ丁寧に答えてくれました。頻繁に電話をもらい、安心して入隊することができました。

休日の過ごし方は?

 土日のどちらかで横浜市内にいる妻に会いに行きます。日々の訓練後の夜に反省のため書いている日記を妻に読んでもらいます。昨年の自候生採用年齢引き上げのニュースを最初に教えてくれたのは、妻でした。以前、自衛官になることを夢見ながら「もう年齢がなぁ」と諦めた私の言葉を妻は気にしていたようです。妻の応援があって、入隊できています。転職して自衛官の道を選択することを理解し、励ましてもくれるので、感謝の気持ちでいっぱいです。土日のどちらか1日は外出せず、筋トレや持久走などの体力錬成のほか、アイロン掛けなど行います。

これから自衛官を目指そうとしている後輩に一言!

 私は自候生採用年齢の上限いっぱいで入隊しました。入隊するまでは、年少者とうまくやっていけるのか、体力的についていけるのかなどの不安がありました。しかし、入隊してみると同期の誰も年齢など気にしていないことがわかりました。18歳の人も32歳の自分も同じ同期。年齢上限は入隊できる、できないの単なる目安に過ぎないと感じました。若い隊員にも私のような年齢を重ねた隊員にも、分け隔てなく厳しくも親身に接してくれる班長や教官の指導に感謝しています。自衛隊はたくさんの出会いがあり、人を育ててくれる組織です。

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