防衛日報をご愛読の皆様に、謹んで新年のお慶びを申し上げます。また、旧年中は、航空自衛隊に対し格別のご厚誼を賜り、ありがとうございました。

 わが国を取り巻く安全保障環境は、想定していたよりも格段と速いスピードで変化しており、厳しさ、不確実性を増しています。また、軍事技術の進展は目覚ましく、戦闘様相は、陸海空のみならず、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域を組み合わせたものへと変化してきています。

 このような安全保障環境を踏まえ策定された新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を具現化していくため、航空自衛隊は、新たな領域における能力の獲得や従来の領域における能力の強化等を推進していきます。昨年は新防衛大綱・中期防の初年度として、「改革」や「改編」よりも更に一歩踏み込んだ「進化」を目指して各種施策に取り組んで参りました。F35A戦闘機の飛行隊新編やE2D早期警戒機の配備開始など、防衛力整備を着実に進めるとともに、新たに短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機能を有する戦闘機としてF35Bの導入が決定されました。

 本年は、多様化する任務を着実に遂行するとともに、引き続き、航空自衛隊の「進化」を追求し、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力の獲得・強化を加速化して参ります。併せて、柔軟な運用が可能なF35Bを含む戦闘機体系等の構築、スタンド・オフ防衛能力及び総合ミサイル防空能力の強化などにより、太平洋側を含む、空における対処能力を更に向上させ、国民の皆様の生命・身体・財産、わが国の領土・領海・領空を守るため、一丸となって任務に邁進し、国民の負託に応えたいと思います。

 本年も引き続き、航空自衛隊に対するご理解とご協力を、よろしくお願い申し上げます。最後に、読者の皆様のご健勝及びご多幸を祈念して、新年のご挨拶といたします。