防衛省は8月18日、西日本豪雨での自衛隊による災害派遣を終了したと発表した。自衛隊は7月6日から8府県に出動した隊員3万3100人のほか、船舶28隻や航空機38機で人命救助や物資輸送、給水支援などを行った。
渡河ボートで668人救出|三軒屋駐
三軒屋駐(司令・田中2陸佐)所在の各部隊は、7月6日から8月12日の間、岡山県倉敷市真備町などで災害派遣活動を実施した。
4施団305施設隊は、7月7日から9日までの間、町全体が水没し多くの住民が避難していた病院や老人ホームの668人を渡河ボートで救出した。また、連日35度を超える猛暑や粉じんが舞う悪条件の中、油圧ショベルや特大型ダンプなどを駆使し、道路啓開や災害廃棄物の回収・撤去を行い、8月1日に完了させた。
104施設直接支援大隊2直接支援隊は、渡河ボートの舷外機や油圧ショベルのシリンダー交換など計53件80台を整備し、305施設隊の任務完遂に寄与した。
三軒屋弾薬支処は7月12日から、同駐に進出した3師団司令部指揮所用として、グラウンドに発電機やエアコン、仮設トイレなどを設置するとともに、他駐からの派遣部隊に対しタンクローリーでの臨時給油所の開設・運営のほか、携行食8000食の緊急調達や管理換などを行った。また浴場や診察の延長、隊員が宿泊するための体育館の環境整備なども支援した。
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陸上自衛隊三軒屋駐屯地
http://www.mod.go.jp/gsdf/mae/13b/sangenya/
15旅団と共に給水支援|陸自8師団
陸自8師団(師団長・吉田陸将)は、7月8日から30日の間、広島県安芸郡などの被災地に隊員を災害派遣出動させた。
師団は8日、42即機連や8特武防隊、8後支連などの隊員109人で生活支援隊を編成し、10日から広島県安芸郡坂町地域で給水や入浴支援を開始。13日から、広島市安芸区や呉市、海田町などで流木などの危険物除去活動を行った。15日以降、隊員は、安芸区や呉市などの道路や学校で防疫活動も行った。
18日、15旅団(那覇駐)は22人の増援部隊を被災地に派遣し、8師団の給水活動を支援した。給水支援隊は安芸郡坂町や江田島市など5カ所で毎日午前8時から午後8時まで、水トレーラで被災者に水を配った。
両部隊の隊員は給水に訪れた被災者の車に重い水缶を運んだり、子供たちに自衛隊グッズを配布するなど、被災者に寄り添う支援を行い、感謝された。
15旅団の石垣孝2陸曹は「これからも被災者の力になれるよう沖縄県の自衛隊代表として精一杯尽力します」と笑顔で話していた。
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陸上自衛隊第8師団
http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/8d/index.html
瓦礫や泥撤去作業に尽力|国分駐12普連
国分駐12普連(連隊長・渡辺1陸佐)は7月9日、生活支援隊を編成し、被災地の広島県で活動した。
初動の隊員は給水などの生活支援を行った。引き続き12普連は応急活動対策支援隊として約300人の追加派遣を決め、12日に鹿児島を出発した隊員たちは被災地へ約12時間かけ移動。現場に到着すると、連日30度を超える暑さの中、道路や河川の瓦礫、住居に流入した泥の除去などを23日まで行った。
隊員の一人は「活動期間中、自治体の看板に書かれたお礼の言葉や車両のフロントガラスに挟まれた感謝の手紙、小学生から手渡された手紙に書かれた『自衛隊さん頑張れ』の言葉に活力をもらった」と話していた。