平素より国防に従事される自衛隊隊員の皆様に心より感謝申し上げます。
令和6年11月21日(木)、WRC(世界ラリー選手権)ラリージャパン2024でブルーインパルスが展示飛行を行いました。
航空自衛隊小牧基地からのリモート展示で、岐阜県恵那市のJR恵那駅上空を航過飛行し、続いて愛知県豊田市の豊田スタジアム上空で編隊連携機動飛行を、増槽タンクを装着したD2形態で、実施しました。
ブルーインパルスはこれまでにもインディジャパン300マイルレースやF-1グランプリなどの国際レースの開幕で飛んできました。WRCは歴史あるラリー競技の世界最高峰に君臨する自動車レースであり、Alitaliaカラーのランチャ・ストラトスが疾走した往年の世界ラリー選手権は、1970年代のスーパーカーブームがまさに始まろうとしていた時代の子供心の憧れでもありました。過酷な林道などの悪路を走行するWRCは乗用車の耐久性や品質向上に大きく貢献してきたことは疑いありません。平成16年(2004年)から日本でも開催され、今年はついにその開幕日にブルーインパルスが飛んだのです。
これだけ権威のある国際レースで飛ぶことは世界にブルーインパルスの存在や技量を示すことにもなり、また平日にもかかわらず多くの人が集まったことで、その注目度の高さが伝わってきました。
小牧基地からのリモート展示
この日の飛行ルートや実施課目など展示飛行の詳細は主催者から発表されていました。小牧基地離陸は13:40頃でしたが、その3時間ほど前にブルーインパルスの機体が格納庫から搬出され、飛行指揮所前の列線に6機が整列しました。平日ですので、その間にも小牧基地所属機の飛行訓練が行われています。
気になるのは山向こうの低い雲です。もし恵那が雲に隠れていたらブルーインパルスは直接豊田市へ向かうかもしれません。列線にはまだ予備機が搬出されていませんでしたが、それを待たずに恵那へと向かいました。
ブルーインパルスも目印にするであろう中央道で恵那に向かうと、時間が経つにつれて点在した雲も晴れていきました。
恵那市上空を航過飛行
飛行ルート
13:40頃 航空自衛隊小牧基地(出発)
13:50頃 JR恵那駅(スモーク・通過)
14:00頃 豊田スタジアム(航空ショー)
14:30頃 航空自衛隊小牧基地(帰着)
予告通りブルーインパルスは13:50にスモークを曳いて西の方から上空に現れ、恵那駅上空で大きく右旋回して南西方向の豊田市へ向かっていきました。これも予告通りの飛び方でした。
恵那駅前には平日にもかかわらず、ブルーインパルスを見るために多くの人が集まりました。
近くの幼稚園でしょうか、引率された子供たちの団体も来ていました。筆者の大きなカメラに興味を示した子供に「飛行機来るよ」と声をかけると「ブルーインパルス!」と返事が返ってきました。散歩の時間をブルーインパルスに当てたのでしょう。ブルーインパルスを見に来たことをちゃんとわかっているのだと嬉しくなりました。
恵那市はラリージャパンのホストシティとしてこのレースに力を入れており、駅周辺にはラリージャパンのご当地マンホールが設置されました。
豊田スタジアム上空で編隊連携機動飛行
豊田スタジアム上空では12課目の編隊連携機動飛行が実施され、豊田市のTの字を思わせるハンマーヘッド・ローパスや、冬季にクリスマス・ツリーをイメージしたツリー・ダーティー・ローパスなどが披露されました。
ラリージャパンのチケット購入者には豊田スタジアム前のイベント広場が開放され、またスタジアム前の矢作川にも無料観覧席が設けられ、こちらも平日にもかかわらず多くの人が集まりました。
天候も良く、風もやみ、スモークがとてもきれいに見えた最高のコンディションだったと思います。
私がブルーインパルスを見始めたのはもう30年以上も前、T-2の時代でした。その頃は人もまばらで、でかいカメラを構えたオジサンばかりで、若い女性なんていませんでした。友人を誘っても来てはもらえず、1人で岐阜基地に黙々と通い続けました。
ブルーインパルスの知名度が上がったのは東日本大震災の頃からでしょうか。昨日も老若男女問わず、たくさんの人がいて、歓声と共に拍手が沸き起こっていました。こんなにも人気になったのはとても嬉しく、そして少し面白くない気分もあります。
これからもご安全に、ステキなパフォーマンスを見せて下さい。
ショー当日は雲一つない最高のフライト日和でした。周りの観客の雰囲気も今か今かと待っているのがひしひしと伝わってきました。
6機が登場した瞬間「来た!あそこ!」と一斉に同じ方向を向きました。次々とアクロバットな飛行をする度に観客がワッと歓声と湧いたのがとても印象的でした。あっという間の25分間でした。私は無心でシャッターを切りました。
例年はブルーインパルス を見るのは岐阜や浜松の航空祭まで行っていました。まさか、地元で素晴らしいフライトが見れて感激です。広範囲の我が街で大勢の人々が同じ時間に上を見上げるのはなんかイイなぁと思いました。
ブルーインパルス のおかげで華々しいラリージャパン2024のオープニングを飾ってくれました!
また是非来て欲しいです!
快晴に恵まれ、気持ち良く見学できました。
逆光ぎみの中、編隊を組みスモークを上げて向かってくる光景は、思わず身震いするほどの迫力で、その場にいた観客からも歓声が上がっていました。
2歳11ヶ月の子どもが「すごーい!」と声を上げるほど感動的な場面でした。澄み渡る青空に描かれる飛行機の軌跡と、イベントならではの熱気が感じられる瞬間を捉えています。家族にとって忘れられない体験の記録です。素晴らしい12演目をありがとうございました。無事に終えられたことに感謝します!
イベント広場では展示飛行に先立つ午前中に江尻卓2空佐のトークショーとサイン会も開催されました。
ナレーターとして来場する予定だった松浦翔矢2空尉は、急遽3番機で飛ぶこととなり、展示飛行デビューとなりました。OR(Operation Readiness、任務待機=曲技飛行展示資格を持つ正パイロット)おめでとうございます!
ナレーターは愛知県出身の飛行管理員、横澤弘恭3空曹が務め、地元凱旋(がいせん)となりました。今年は秋田や仙台などでもナレーターで活躍されました。愛知でも凱旋ナレーションおめでとうございました!
豊田スタジアムには整備員の大坪信介1空曹も来場しファンと交流されていました。
こうした自動車レースなどスポーツ祭典で展示飛行チームが飛ぶことは海外でも恒例であり、日本を代表するブルーインパルスが国際レース開幕を祝して飛ぶことは航空文化の一端として今後も行われていくことでしょう。
FIA世界ラリー選手権フォーラムエイト・ラリージャパン 編隊連携機動飛行実施課目
1. リーダーズ・ベネフィット・ローパス
2. ハンマーヘッド・ローパス
3. エシュロン・ローパス
4. ツリー・ダーティー・ローパス
5. デルタ360°ターン
6. ナイフ・エッジ
7. チェンジ・オーバー・ターン
8. フェニックス・ローパス
9. サクラ
10. ビッグ・ハート
11. 720°ターン
12. レベル・サンライズ
FIA世界ラリー選手権フォーラムエイト・ラリージャパン 編隊連携機動飛行 実施メンバー
1番機 川島良介3空佐(飛行班長)、浅香光司1空尉(6番機錬成)
2番機 松永大誠1空尉
3番機 松浦翔矢2空尉
4番機 佐藤裕介1空尉
5番機 藤井正和3空佐、浦祐眞3空佐(5番機錬成)
6番機 加藤拓也1空尉
地上統制官 江尻卓2空佐(飛行隊長)
ナレーター 横澤弘恭3空曹(飛行管理員)
地上支援 大坪信介1空曹(整備員)
読者投稿受賞作品(防衛日報社賞)
応募作品で防衛日報社賞に輝きましたのは、にゃおんさんの「無料観覧席から見たチェンジ・オーバー・ターン」です!
にゃおんさんには防衛日報社賞の記念品を贈らせていただきます。