部隊見学会、教育隊研修、激励会 各地本が熱くサポート

 【2023年3月16日(木)1面】 この春、自衛隊や学校の門をくぐる入隊・入校予定者。期待と不安が入り混じった日々の中、地本では、今年もその不安を払拭(ふっしょく)してもらい、一方で入隊・入校への意欲を高めてもらうため、部隊の見学や教育隊の研修などさまざまなイベントを実施し、サポートした。明日の自衛隊を担う若者たちの表情を各地からの報告でまとめた。

雪上車、スキー‥冬の部隊行動を体感|旭川地本

 旭川地本(本部長・高田1陸佐)は2月26日、4高射特科群(名寄駐)と協同で広報イベントを開催した。イベントには入隊予定者とその家族が参加。部隊側が冬の部隊行動の展示を行い、入隊予定者は隊員から展示説明を受けた後、防寒戦闘服を試着し、「意外に暖かい」「防寒靴がごっつい」などで盛り上がり、「即席自衛官」が誕生した。

 イベントではその後、冬季装備を施した隊員が登場。スノーモービルや雪上車にスキーを付けて牽引(けんいん)された隊員たちの姿に、「かっこいい」の歓声が上がった。

 引き続きグループごとに雪洞見学、スノーモービル・雪上車の体験試乗、スキー・かんじき体験が行われ、雪洞見学では「迷路のようだ」「ここで寝ると聞いて、びっくり」「思ったより暖かい」などと話していた。

 また、駐屯地グラウンド内で実施されたスノーモービルの後部座席や雪上車の助手席で体験試乗した入隊予定者からは、「初めての経験で楽しかった」などの感想も。初めてくるぶしの浮くスキーに挑戦したり、かんじきを履いたときは、「すごく難しい」と苦渋していた。

 イベントに参加した名寄市在住の渡邊咲希さんは、「とても楽しかった。自衛官だった父の背中をずっと見て憧れていました。災害時などでは困っている方々の助けになりたい。父を乗り越えて幹部になることが目標です」と語ってくれた。

 また、士別翔雲高校3年生の熊澤楓さんは、「小さい頃、名寄駐の市街地パレードを見て衝撃を受けました。それ以来、自衛官一本で来ました。仕事の希望は偵察で、オートバイやスノーモービルなどを乗り回したい」と頼もしいコメントがあった。

 イベントの最後は体験喫食。ミリタリーコックお手製の豚汁に、「すごく、おいしい」「おかわりしたい」と参加者たちには冷えた体にしみる食事となった。

 午後からは説明会が行われ、旭川地本名寄出張所の広報官らが入隊前の準備事項などを説明し、成功裏にイベントを終了した。

 イベントを担当した名寄所長の猪師(いのし)1陸尉(当時)は、「今回のイベントは入隊予定者のみならず、家族にも楽しんでいただけたと思います。参加者、支援者ともにみんなが笑顔になれた素晴らしい一日となりました。4高射特科群長をはじめ、準備に携わってくれた多くの方々に感謝しかない」と感激していた。

画像: スノーモービルの体験試乗で、その機能性を体感

スノーモービルの体験試乗で、その機能性を体感

画像: 「かまくら」に似た雪洞の中の様子を確かめた

「かまくら」に似た雪洞の中の様子を確かめた

画像: 雪上車の助手席で車両性能を体感する入隊予定者

雪上車の助手席で車両性能を体感する入隊予定者

画像: 春からは仲間となる同期の皆で記念に1枚

春からは仲間となる同期の皆で記念に1枚


◆関連リンク
自衛隊旭川地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/asahikawa/


髪型など班長と懇談
丁寧に疑問を解消|鹿児島地本

画像: 甲板上で説明を受ける参加者たち

甲板上で説明を受ける参加者たち

 鹿児島地本(本部長・稲崎1海佐)は2月15日から3月3日の間、令和5年度「入隊予定者フォロー研修」を実施した。研修は、2月が15日に国分、17日に佐世保、24日に防府南、27日に久留米のほか、3月3日に国分と、それぞれの基地と駐屯地で行った。

 研修は、事前に入隊予定の教育隊の隊内生活などを研修することで入隊予定者の不安を少しでも払拭し、入隊意欲のさらなる向上を目指すのが目的。

 防府南基地では、12人(男7、女5)の空自入隊予定者が参加。航空教育隊渉外室長の市木1空尉による空自の任務、行動などの概要や職種の説明、男女に分かれてそれぞれの隊舎内と基地主要施設の見学、教育隊の生活や一日の流れなどの動画視聴、教育隊の班長との懇談、空自名物「空上からあげ」体験喫食を研修した。

 特に班長との懇談の際には、髪型、外出の際の服装、体力錬成、希望する職種(航空開発、救難員、航空機整備など)の質問があり、教育隊班長が、分かりやすく丁寧に説明するなど、入隊予定者にとって大変有意義な研修となった。

 参加した入隊予定者からは、「想像していたより厳しそうな訓練内容だったが、研修に参加し、入隊前に知ることができてよかった」「残りの1カ月、体力など足りないことを準備する時間にしたい」など、入隊に向けて前向きな感想が聞かれた。

 最後に、研修全般を通じて入隊予定者の全般を支援していた鹿児島県出身の上原空士長からは、「残りの1カ月を入隊準備と、家族との時間にしてください。何も心配はいりません。1カ月後に待っています」との心強い言葉があり、研修終了となった。

 鹿児島地本は「引き続き入隊予定者らの事前研修などを通じて、入隊後の心構えなどを伝える機会を設けるとともに、入隊予定者の不安を払拭し、自衛隊への信頼獲得に努めていく」としている。

画像: 懇談でそれぞれの不安材料を一つひとつ取り除いた

懇談でそれぞれの不安材料を一つひとつ取り除いた


◆関連リンク
自衛隊鹿児島地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/kagoshima/


<ガンバレ!入隊・入校予定者たち>
(静岡地本富士所、青森地本、秋田地本)各地で激励会①
(愛知地本岡崎所、徳島地本)各地で激励会②
(佐賀地本)母から心温まるプレゼント


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