【2023年1月12日(木)1面】 浜田靖一防衛大臣は1月10日、防衛省動画チャンネルを通して自衛隊の全隊員に向け、令和5年の年頭にあたって自らの思いを伝えた。わが国を取り巻く安全保障環境の厳しさを踏まえ、昨年12月に改定された「安保3文書」や防衛力の抜本的強化を具現化する正念場となる新たな1年のはじめにあたり、大臣は周辺諸国の現状や世界の動向などを述べた上で、日本を護(まも)るため、隊員一人ひとりの意識の高揚と責任感の向上に大きな期待を寄せた。

浜田防衛大臣 年頭の辞

 防衛大臣の浜田靖一です。令和5年の年頭にあたり、全国の隊員諸君に新年のお慶(よろこ)びを申し上げます。

 また、日本中や世界各地で懸命に職責を果たす隊員諸君に対し、防衛大臣として、改めて心からの敬意と感謝を表します。きょうは全国の隊員諸君に、私の思いを3点、お伝えします。

安全保障環境

 まず、わが国を取り巻く安全保障環境です。昨年2月から続くロシアのウクライナ侵略は、国連安保理の常任理事国が、国際法を無視して主権国家を侵略し、核兵器による威嚇ともとれる言動を繰り返すという前代未聞といえる事態です。

 中国は、軍事力を広範かつ急速に強化し、力による一方的な現状変更やその試みを継続・強化しています。北朝鮮は、昨年、かつてない高い頻度で、かつ新たな態様でミサイル発射を繰り返しました。

 諸君におかれては、国際社会が今、戦後最大の試練の時を迎え、既存の秩序は深刻な挑戦を受け、新たな危機の時代に突入していることを念頭におきながら、日々職務に邁進(まいしん)してください。

防衛体制の強化

 次に、わが国の防衛体制の強化です。安全保障環境が厳しさを増す中でわが国を守り抜くため、昨年12月、新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画を閣議決定しました。

日本を守り抜く体制整備が急務

 本年からは、これらの方針を踏まえ、わが国を守り抜くため必要な体制を迅速かつ着実に整備していかなければなりません。引き続き、私が先頭に立って、これらの取り組みを進めていきます。

安全保障協力の強化

 最後は、各国との安全保障協力の強化です。

二国間、多国間の安全保障協力も不可欠

 わが国唯一の同盟国である米国とは、日米安全保障条約などに基づき、引き続きさまざまな分野での協力を進展させます。米国以外の諸外国、特に、基本的価値や安全保障上の利益を共有する多くの国々との二国間、多国間協力の強化も不可欠です。

 引き続き、「自由で開かれたインド太平洋」を踏まえ、基本的価値を共有する仲間と手を携え、秩序を変えようとするものに、一丸となって反対していきます。

結びに

 わが国の安全保障は、諸君一人ひとりの努力の積み重ねの上に成り立っています。諸君は国の宝です。その誇りを胸に、本年も防衛省・自衛隊一丸となって、日本の平和と安定を守り抜いていきましょう。

浜田防衛大臣「年頭の辞」令和5年1月10日
https://www.youtube.com/watch?v=x70_3QBt2TU


画像: 浜田防衛大臣 全隊員へ年頭の辞「戦後最大の試練の時」

This article is a sponsored article by
''.