反撃手段 スタンド・オフ・ミサイル
トマホーク取得は2113億円

 【2022年12月28日(水)1面】 今回の予算では、8月末の予算概算要求で「事項要求」として明記されなかった金額も明らかになった。自衛目的で敵のミサイル発射地点などを攻撃する「反撃能力」の保有などで防衛力を強化する。主な内容は次の通り。

 【スタンド・オフ防衛能力=約1兆4207億円】反撃手段の中心となるのが、相手の射程圏外から発射できる長射程のスタンド・オフ・ミサイルだ。早期に装備化が可能なトマホーク(米国製巡航ミサイル)の取得(2113億円)に充てる。

 また、12式地対艦誘導弾能力向上型のうち、地発型は早期部隊配備のために量産を開始(939億円)、島嶼(しょ)防衛用高速滑空弾(能力向上型)の開発(2003億円)、極超音速誘導弾の研究(585億円)などに取り組む。

<ここから2面>

イージス・システム搭載艦に2208億円

 【統合防空ミサイル防衛能力=約9867億円】イージス・システム搭載艦(2208億円)、03式中距離地対空誘導弾(改善型)能力向上型の開発(758億円)などが盛り込まれた。

 【無人アセット防衛能力=約1827億円】情報収集や警戒監視、攻撃などの機能を持つ各種UAV(無人航空機)やUGV(無人地上車両)などを取得し、運用実証を行った上で装備化していく方針を示した。

 【宇宙領域=約1844億円】極超音速滑空兵器(HGV)を宇宙から探知・追尾するために必要な技術実証(46億円)、宇宙領域把握(SDA)の強化(595億円)などに取り組む。

 【サイバー領域=約2643億円】リスク管理枠組み(RMF)の導入(339億円)や、サイバーセキュリティ態勢強化のために陸上自衛隊通信学校を「陸上自衛隊システム通信・サイバー学校(仮称)」に改編するほか、防衛省内に「サイバー企画課(仮称)」と情報保証・事案対処を担当する「大臣官房参事官」を新設する。

 【電磁波領域】ネットワーク電子戦システム(NEWS)能力向上(14億円)、小型無人機などの対処のための高出力マイクロ波照射装置(26億円)や車両搭載型レーザー(110億円)の取得を進める。

 【陸海空領域=約1兆1763億円】次期装輪装甲車(人員輸送型)の取得(26両・136億円)、搭載システムなどの能力や飛行性能を向上させた回転翼哨戒機(SH60L=仮称)の取得(6機・603億円)などの費用を計上した。

 【指揮統制・情報関連機能=約4588億円】AI(人工知能)を活用した意思決定迅速化に関する研究(43億円)などを実施する。

→防衛関係費 主な新規事業


【5年度予算案 記事】
防衛力増強に向け「相当な増額」実現
防衛関係費 主な新規事業

画像: 【5年度予算案】事項要求「反撃能力」の保有などで防衛力を強化

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