「国際観艦式」で観閲する岸田首相(首相官邸ホームページから)
画像: 威風堂々 日本で20年ぶり「国際観艦式」

 【2022年11月14日(火)2面】

海自創設70周年を記念-米韓豪など12カ国の艦艇も

 海上自衛隊の創設70周年を記念した「国際観艦式」が11月6日、神奈川県の相模湾で行われた。日本での開催は、2002年(平成14)以来20年ぶり。海自の艦艇20隻のほか、米国や豪州、韓国など計12カ国から18隻が参加した。また、陸自の航空機や車両、空自の「ブルーインパルス」などの航空機も参加した。

 海上幕僚監部によると、観艦式は隊員の使命の自覚や士気の高揚を図るとともに、西太平洋海軍シンポジウム加盟国海軍間の信頼醸成や友好親善を促進し、地域の平和と安定を図るのが目的。

 式には、自衛隊最高指揮官の岸田文雄首相が観閲(視察)したほか、浜田靖一防衛大臣、小野田紀美大臣政務官、自衛隊幹部らが出席した。

 岸田首相はヘリコプターから護衛艦「いずも」の甲板に降り立ち、海自艦艇12隻を観閲したほか、外国艦艇から祝意を受けた。

首相 「海上防衛力は戦略環境を大きく左右。強化は待ったなし」

 艦上での訓示では、ロシアによるウクライナ侵略や北朝鮮による度重なるミサイル発射など、厳しさを増す安全保障環境などに言及した上で、「海上防衛力は、わが国の戦略環境を大きく左右するもの。艦艇の増勢、ミサイル対処能力の強化、隊員の処遇改善を含め、その強化は待ったなしだ」などと述べ、防衛力の抜本的な強化を目指す方針を重ねて示した。

 その後、首相は浜田大臣らとともに米原子力空母「ロナルド・レーガン」に乗艦し、艦内を視察した。

オスプレイ、F35Bも、ブルーインパルスはアクロバット飛行

 当日は、陸自のオスプレイや米軍のステルス戦闘機「F35B」が飛行。ブルーインパルスによるアクロバット飛行も実施された。

参加艦艇など

 海上幕僚監部によると、令和4年度「国際観艦式」に参加した艦艇などは次の通り。

 【自衛隊】海自=艦艇20隻、航空機6機▽陸自=航空機5機、車両など(輸送艦に積載)▽空自=航空機16機(ブルーインパルス参加)

 【海上保安庁】巡視船1隻

 【外国海軍など】艦艇=12カ国18隻(オーストラリア、ブルネイ、カナダ、インド、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、パキスタン、韓国、シンガポール、タイ、米国)

 航空機=2カ国6機=米国(海軍機および海兵隊機)、フランス(海軍機)

画像: 岸田首相らの観閲を受け、海上を進む艦艇(首相官邸ホームページから)

岸田首相らの観閲を受け、海上を進む艦艇(首相官邸ホームページから)

画像: 浜田防衛大臣(右から2人目)と小野田大臣政務官(右端)も出席した(防衛省ホームページから)

浜田防衛大臣(右から2人目)と小野田大臣政務官(右端)も出席した(防衛省ホームページから)

画像: 「いずも」で隊員らに訓示を行う岸田首相(首相官邸ホームページから)

「いずも」で隊員らに訓示を行う岸田首相(首相官邸ホームページから)

■国際観艦式

 1341年の英仏戦争のおり、英国王エドワード3世が自らの艦隊を率いて出撃する際、その威容を観閲したことが起源とされている。

 日本では、明治元年(1868)に明治天皇をお迎えし、大阪天保山沖で行われたものが最初とされている。

 海上自衛隊は、昭和32年(1957)10月2日、東京湾での開催から、昭和48年まで毎年実施された。その後一時期中止されていたが、同56年から復活し、以降3年に一度の開催となった。

 平成14年(2002)、海自創設50周年に伴い、初めて国際観艦式を挙行。東京湾内で停泊式と呼ばれる形式で実施した。

 今回、海自創設70周年の節目となり、第2回の国際観艦式を挙行することになった(海自ホームページから)。

ライブで配信

 国際観艦式には、多くの外国艦艇、自衛隊の艦艇などが参加し、注目を集めた。

 海自がユーチューブの「防衛省海上自衛隊公式チャンネル」の「令和4年度 国際観艦式 INTERNATIONAL FLEET REVIEW2022」でライブ配信した動画の中から主なものを紹介する。

画像: 米誘導ミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」

米誘導ミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」

画像: 豪駆逐艦「ホバート」

豪駆逐艦「ホバート」

画像: 韓国補給艦「ソヤン」

韓国補給艦「ソヤン」

画像: 列をつくって進む海自の艦艇

列をつくって進む海自の艦艇

画像: F15イーグル戦闘機

F15イーグル戦闘機


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