はじめに

 こんにちは。ヨメナルドです。

 梅雨に入り、じめじめした日も多くなりました。今月からは、多くの地域で出水期となりました。出水期は、洪水が起きやすい時期として、水害に気を付けなければならない時期です。(詳しくは【防災コラム】「出水期〈しゅっすいき〉」~来る梅雨・台風シーズンに向けて~
 皆様も、事前の備えをぜひとも、お願いいたします。

 さて、4月16日に板橋区小豆沢体育館にて、災害ボランティアセンター設置訓練が行われました。
 本センターは災害が起きた際に立ち上がる組織です。主な役割として、支援が必要な被災者からの連絡受付、支援活動を行うボランティアの受け入れ、支援が必要な人や場所(以下ニーズ)と、支援者を適切に組み合わせる「マッチング」があります。
 私は、センターの事務局支援者として、訓練に参加しました。そこで今回は、訓練時の写真を使用しながら、災害ボランティアとして被災地で活動希望の方向けに活動の流れをお伝えします。

災害ボランティア参加の流れ

 ボランティアとして活動を希望する方は、事前に全国社会福祉協議会被災地支援・災害ボランティア活動の情報ページや、希望する支援市区町村のHPなどを確認し、募集要領、事前受付の必要性などを確認します。
 この時、参加にあたっての持ち物や服装の準備をしていくことも必要になるでしょう。ボランティア参加にあたっての服装については、こちらの記事にて紹介しています。 【防災コラム】災害ボランティアの服装を準備しよう! ~自衛隊での経験も踏まえてお伝えします~

 また、災害ボランティアに参加する際に、特に以下の点について注意が必要です。
 ・災害ボランティアは手弁当になることがほとんどですので、自らの食事の用意もお忘れなく!
 ・災害ボランティアセンターは、被災者のニーズを把握し、災害ボランティアが安全に活動できるタイミングになってからホームページ等でお知らせします。
 ・新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ボランティア募集を団体のみの受付や、県(都)内在住者等に制限している場合がありますので、ホームページ等で事前の確認が必要です。
 ・被災地へ入る前に居住地でボランティア保険の加入も済ませましょう。

災害ボランティアセンターに到着してからの流れ

  ここから、災害ボランティアとして活動する場合の流れを細かく説明していきます。

⑴ボランティア参集・受付

 当日、災害ボランティア志願者は、被災地の災害ボランティアセンター設置されている場所に行きます。センターには受付がありますので、事前に用意されている記入用紙に、氏名等、必要事項を記載していきます。

画像: 災害ボランティア活動を行うために、必要事項を記入用紙に記載します。

災害ボランティア活動を行うために、必要事項を記入用紙に記載します。

 必要事項を記載したならば、受付の方に提出します。ここで、職員の方から質問等がされる場合があります。

画像: 災害ボランティアセンター事務局の方が聞き取りを行います。

災害ボランティアセンター事務局の方が聞き取りを行います。

⑵オリエンテーション

 受付終了後、次は、ボランティアの概要や注意事項等を周知する「オリエンテーション」を受けます。活動に関係する重要な話が多くありますので、少々長いこともありますが、しっかり聞いていただく必要があります。

画像: オリエンテーションにて、活動時の注意事項を聞きます。

オリエンテーションにて、活動時の注意事項を聞きます。

⑶マッチング・グルーピング

 ボランティアとしての活動が決定されたのち、被災者のニーズと、支援者の適性を適切に組み合わせる「マッチング」と、一緒に活動する人同士でグループを作りリーダーを決める「グルーピング」を行います。
 マッチングでは、被災者から受け付けたニーズについて説明を受けた後、支援者自らが対応可能なニーズを選択します。ボランティアセンターによっては、各ボランティアが保有する資格等を参考に、職員より依頼されるケースもあります。

画像: マッチングでは、自分ができそうな活動があったら、積極的に声を上げてください!

マッチングでは、自分ができそうな活動があったら、積極的に声を上げてください!

 マッチングの後に行われるグルーピングでは、ともに活動する支援者同士での顔合わせ及び活動を行う上でのリーダー決めを行います。また、詳しい作業内容を確認します。

⑷送り出し・地図案内

 多くの場合、他の地域から来た支援者は土地勘がないので、ここでしっかりと活動場所までの移動方法や経路を把握します。被災地では、公共交通機関の運行状況や、道路の通行止めなどが想定されるので、こうした情報も事前に入手できるようにしておきましょう。

画像: 使える交通機関と照らし合わせて、ルートの確認をしましょう。

使える交通機関と照らし合わせて、ルートの確認をしましょう。

⑸資材・車両貸出

 次に、資材や車両等の貸し出しがあります。支援者は、ニーズに応じた資機材を持参します。(今回は、資材カードを使用しました)貸し出しの際には、貸し出し物品についてセンター職員と支援者が双方で確認します。

今回の訓練では、資材カードを用いて貸し出しを行いました。

 資材は数多くあります。似た資材もあるのでお気を付けを。

⑹現地で作業

 いよいよ、現地での作業となります。支援者は災害ボランティアセンターを出発し、実際に支援を行う場所へ向かい、活動を行います。
 活動が終了した、または指定された時間が終了し次第、支援者はセンターへ戻ります。この際、活動場所周辺にさらなる支援が必要な住民がいるかどうかを確認しておくことで、地域全体の迅速な復旧につながります。

⑺センター帰着・資材返却

 センターに帰着後、機資材を返却します。この際も、センター職員および支援者が確認しながら行います。

画像: 返却前に資材の泥汚れ等をある程度落としておくと、その後整備する職員の方も助かります。

返却前に資材の泥汚れ等をある程度落としておくと、その後整備する職員の方も助かります。

⑻報告・活動終了

 最後に、センター職員担当に、活動の報告を行います。ニーズ宅の状況、ニーズ宅での引き続きの活動の必要性、周囲の状況などを伝えます。
 これで、支援者の災害ボランティアとしての一日は終了です。

画像: リーダーを中心として、活動の進捗状況や活動場所とその周囲の状況などの報告をします。

リーダーを中心として、活動の進捗状況や活動場所とその周囲の状況などの報告をします。

さいごに

 災害ボランティアとしての活動の流れについて、おわかりいただけましたか?
 今回の訓練参加で、被災者支援の活動をボランティアとして来た人がスムーズにできるよう、災害ボランティアセンターが段取りを考えていることを実感しました。初めてでも安心して活動できる体制を整えています。  
 参加を希望される皆さんも、被災者目線で活動していただくことで、より充実したボランティア活動ができると思いますよ!

 (今回の記事につきまして、板橋区での発災時に板橋災害ボランティアセンター事務局となる「いたばし総合ボランティアセンター」様よりご協力いただきました。ボランティアセンターの皆様、ありがとうございました!)

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