「地域の安心・安全のために」
 
 【2022年4月14日(木)2面】 <沖縄>陸自15旅団(旅団長・井土川陸将補)が50年にわたって実施してきた沖縄周辺の離島からのヘリコプターなどを使った緊急患者空輸の出動件数が4月6日午前、通算1万回に達した。昭和47年の本土復帰の年以降、沖縄県内の離島や鹿児島県の奄美諸島以南の島民らの命を守って半世紀。節目となった同日、15旅団は公式ツイッターで改めて地域の護(まも)りを誓った。

 緊急患者空輸の任務にあたる15旅団15ヘリコプター隊(隊長・後村1陸佐)などによると、1万回となった4月6日午前11時30分ごろ、大けがをした南大東島に住む女性の搬送を求める要請があり、那覇基地を離陸。同午後2時50分ごろには、女性を乗せて同基地に戻り、待機していた救急隊に引き継いだ。

 15旅団は、沖縄県の全域と鹿児島県奄美大島以西の空域が担任区域。その中でも、医療態勢が十分ではない離島などの住民にとっては、いざというときの「頼みの綱」ともなり、患者が発生した際、県からの災害派遣要請を受けてヘリコプターなどで患者の搬送を実施する。ヘリコプターや航空機を待機させ、県のドクターヘリなどが飛べない夜間や悪天候の時を中心に行われてきた。

 昭和47年12月に沖縄県の粟国島で当時の101飛行隊(現15ヘリコプター隊)が緊急患者搬送を実施。54年7月に1000回を数え、以降は3000回=平成元年10月▽5000回=同10年8月▽8000回=同23年8月▽9000回=同28年10月-などと回数を重ねてきた。

 同隊によると、現在は24時間交代で10人が待機しているという。活動にあたっては、指揮連絡班、空輸班、格納庫警備隊による支援などを連携して進めている。

画像: 15ヘリ隊HPより

15ヘリ隊HPより

画像: 陸自HPより

陸自HPより

 緊急患者輸送人数が令和2年3月13日に1万人となった際は、陸自が公式ホームページで「1万人の患者空輸任務を完遂しました」などと報告していた。

 4月6日現在でその数は、1万365人まで増えている。

 15旅団は1万回に達したことを踏まえ、「今後も地域の皆様の安心・安全のため任務に励んで参ります」とコメントしている。

画像: 15旅団ツイッターより

15旅団ツイッターより


◆関連リンク
陸上自衛隊 第15旅団
https://www.mod.go.jp/gsdf/wae/15b/15b/



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