【2022年3月15日(火)2面】 沖縄県の宮古海峡で2月27日から3月4日の間、中国の艦艇とY9哨戒機が計4度にわたって南進・通過していたことが、4日までの統合幕僚監部の発表で分かった。宮古島周辺海域では、2月14日にも中国海軍の駆逐艦1隻が南東進している。沖縄南東の太平洋上の空域では、2月中旬以降、空幕が米海兵隊などと共同訓練を実施しており、同地域での中国海空軍の活発な活動は、こうしたことへの牽制(けんせい)ともみられ、防衛省・自衛隊は警戒を強めている。

画像: 中国海軍ジャンカイⅡ級フリゲート艦1隻
中国海軍ジャンカイⅡ級フリゲート艦1隻

 統幕によると、2月27日正午ごろ、海自が宮古島の北約350キロの海域を南進する中国海軍ジャンカイⅡ級フリゲート艦1隻(統幕報道発表資料から)を確認した。艦艇はその後、沖縄本島と宮古島との間の海域を南東進し、太平洋に向かった。

 また、2月28日午前から午後にかけては、中国のY9哨戒機1機が東シナ海から飛来。沖縄本島と宮古島との間を通過し、東シナ海に向かって旋回するなど往復していたことが確認された。

 さらに、3月2日正午ごろには、海自が宮古島の東約150キロで同海域を北西進するジャンカイⅡ級フリゲート艦1隻を確認。この艦艇は、2月27日に宮古島の北方海域で確認された艦艇と同一であることが分かった。4日には、宮古島の東約110キロで北進するルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦、ジャンカイⅡ級フリゲート、フチ級補給艦各1隻を確認した。

 防衛省・自衛隊は、艦艇に対して5航空群所属のP3C(那覇)、1航空群所属のP1(鹿屋)、43掃海隊所属の「うくしま」(下関)、1海上補給隊所属の「はまな」(佐世保)などで所要の情報収集・警戒監視を行ったほか、哨戒機には戦闘機を緊急発進(スクランブル)させるなど、継続的に監視を行ったとしている。

 一方、空幕の3月1日の発表によると、那覇南東の太平洋上の空域では、2月24日に空自那覇基地の9航空団のF15戦闘機2機が米空軍B52爆撃機、F35A戦闘機各2機、KC135空中給油・輸送機1機と共同で編隊航法訓練を実施していた。

 また、空幕によると、海自は同15日から17日の間も那覇南東の太平洋上で米海兵隊、空軍と共同での各種戦術訓練を実施するなど、日米の中国などへの抑止力強化を図っており、防衛省・自衛隊は中国海空軍の活動を注視している。


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防衛省 統合幕僚監部
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