東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市と名古屋市は、震災を契機に「友好都市」を締結した。

 きっかけは、震災直後の3月23日に名古屋市職員が現地に赴いたこと。以後、名古屋市は市民向けだけでなく、陸前高田市へのさまざまな支援、交流を続けている。

 1月18日から3月27日の間、名古屋市では、震災の記憶・教訓の風化防止とともに、陸前高田市との絆・交流を市民に広く周知するため、市内16区で「巡回パネル展」を開催している。東日本大震災の被災パネルのほか、陸前高田市への支援などが内容だ。

 震災直後には、修学旅行に行けなくなった陸前高田市の子供たちを名古屋市が招待。その後も、それぞれの中学生が訪問し合うなど、両市はさまざまな交流を続けてきた。

 震災から10年の節目となった昨年、両市の友好の証、交流のシンボルとして陸前高田市から「奇跡の一本松」の遺伝子を受け継ぐ後継樹が贈呈され、3月23日、東山動植物園の「きずなの広場」で名古屋市の河村、陸前高田市の戸羽両市長や両市議会議長らによって植樹された=写真(名古屋市ホームページから)。

画像: 【東日本大震災11年⑨】奇跡の一本松がつないだ「絆」

 名古屋市では、後継樹を「生命いのち」の大切さを後世につなぐとともに、両市のシンボルとして大切に育てていくことを誓い、毎年「3・23」を「絆の日」と定めた。

 発表によると、巡回パネル展では、陸前高田市への「行政丸ごと支援・交流パネル」など、絆の日の趣旨を市民に普及させる。また、名古屋市は陸前高田市との交流事業、震災の記憶や教訓の伝承、交流の経験などを踏まえた「南海トラフ巨大地震」などの防災啓発・教育など、趣旨に沿った取り組みを推進。3月23日を中心として実施する交流・防災啓発事業のPR、機運醸成を図っている。


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