【2022年2月9日(水)1面】 福岡地本(本部長・平松1陸佐)はこのほど、福岡市立玄界小学校4年生の児童と担当教諭から、昨年7月12日に社会科の防災学習の一環として実施した「オンライン防災学習」のお礼の手紙を受け取った。手紙には、活動が楽しかったことや、自衛隊に対するイメージが変わったことなど、子供の素直な気持ちが随所にちりばめられていた。

 手紙には、こんな内容がつづられていた。

画像: 児童から届いた手紙(名前など一部加工しています)。

児童から届いた手紙(名前など一部加工しています)。

 「ふだん自衛隊がどんな活動をしているのかや、西方沖地震の時にはどんな活動をしてくれたのかをくわしく教えてくださり、本当にありがとうございました」(以下、原文のまま)

 「ロープワークもとても楽しかったです」

 「教えていただいた事を新聞にまとめて、他の4つの小学校の同級生たちに発表しました。すると、みんな自衛隊の活動など知らなかった事を知れてよかったと言ってくれました」

 「ぼくたちの自衛隊のイメージが『こわい』ではなく『すごい、かっこいい』に変わりました」

 などと記載されており、授業を通して児童たちの自衛隊イメージの向上を後押しすることができた。

 また、担当教諭からは、「玄界小学校は離島という特性から、オンライン防災学習を通じ、現役自衛官の方々から話を聞けたことが、児童にとって大変有意義な経験になり、社会性を身につける上でも大変ありがたい機会だった」などの感謝の手紙をいただいた。

 福岡地本は「今後も子供たちにも自衛隊を積極的に紹介し、自衛官を将来の選択肢として考えてもらえるように発信していく」としている。

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 「オンライン防災学習」の様子は昨年、福岡地本から投稿があり、防衛日報では同8月20日の紙面で紹介していた。

 当時の紙面によると、福岡市に所在する玄界島は、平成17年3月20日に発生した福岡県西方沖地震で被災地となったことから、「震災の記憶を風化させないために、子供たちに被災地での自衛隊の活動を知ってもらいたい」と社会科の防災学習の一環として実施された。

 授業では、玄界小の4~6年生の児童12人に対し、タブレット端末を使用。地本側が自衛隊の仕事、災害派遣の仕組み・活動、国際平和協力活動などについて説明した。

 また、ロープを使用した結索法を取り入れ、もやい結び、止め結びをモニターを通じて実習。結びができた瞬間、児童たちから喜びの声が上がるなど、楽しく実習に臨んでいた。

 福岡県西方沖地震 平成17年3月20日10時53分ごろ、福岡県西方沖の深さ約9キロで発生したマグニチュード7.0の地震。福岡市、前原市などで震度6弱を観測したほか、同県内の市町村や長崎県壱岐市などで同5強を観測。関東から九州地方にかけて同1以上を記録した。

 この地震で死者1人、負傷者1087人、住家全壊133棟などの被害が出た。特に、福岡市西区の玄界島では住家の全壊が107棟に上るなど被害が著しく、大多数の島民が福岡市中央区の九電記念体育館に避難した。

 防衛庁(当時)は3月20日午前11時、災害対策室を設置。福岡県知事からの災害派遣要請を受け、同日から4月25日までに人員約4200人、車両約540両、航空機151機、艦艇18隻により人員・物資の輸送、玄界島島民の避難支援、給水・給食・入浴支援、同島で半壊家屋などへのビニールシートの展張・被覆作業、医療活動などを実施した(内閣府「防災情報のページ」から)。

→玄界島の小学生12人にオンラインで防災授業|福岡地本

テーマは「最後のとりで 自衛隊!」

画像: 児童たちが作成した、壁新聞

児童たちが作成した、壁新聞

 児童たちは「壁新聞」も作成した。テーマは「最後のとりで 自衛隊!」。自衛隊が福岡県西方沖地震で玄界島に支援物資を運んでくれたこと、壊れた家の屋根にブルーシートを張ってくれたこと、避難所で仮設の風呂を作ってくれたことなどを記事として紹介していた。

 新型コロナウイルスの影響で交流ができない状況の中、学習を通して自衛隊が子供たちの防災への意識を高め、自衛隊のPRにつながっただけでなく、学校同士の交流に向けても大きな役割を果たしたかたちとなったようだ。

 一方、福岡地本を通じて投稿があった、玄界小学校が家庭向けなどに配っている4年生の「学級通信」によると、昨年7月12日のオンライン防災学習には、地震だけでなく自衛隊の活動全般について教えてもらうこともあって、防災キャンプに向けた取り組みを行っている5、6年生も一緒に参加したという。

画像: 学級新聞(名前など一部加工しています)

学級新聞(名前など一部加工しています)

 児童たちは、オンライン学習で地本の担当者から自衛隊のさまざまな活動を聞いたほか、玉結びやもやい結びなどのロープワークも体験。自衛隊が災害派遣活動をした西方沖地震の発生時の活動なども聞いた。

 2学期には、隊員らから学んだことや地震の被害などを聞くなど学習し、地震についてほかの小学校との報告会に向けてスライド作りや新聞作りを行った。

 当時の学級通信には、「オンラインの技術を活用し、西方沖地震を経験した玄界島の子供たちから、地震のことをあまり知らない博多の子供たちに当時の被害や島民の苦労、復興までの道のりを伝えられたらと考えている」などと記していた。


◆関連リンク
自衛隊 福岡地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/fukuoka/



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