【2022年1月26日(水)1面】 海底火山の噴火と津波で大きな被害を受けた南太平洋のトンガを支援するため、岸信夫防衛大臣は1月20日、国際緊急援助隊派遣法に基づく派遣命令を出した。派遣規模は約300人。同日夜には、空自のC130輸送機2機が計約5000リットルの飲料水を積んで小牧基地(愛知県)を出発。現地調整所のオーストラリア経由で22日午後、トンガに到着し、届けた。輸送艦も出港させるなど、トンガへの支援を本格化させた。

飲料水、洗浄機搭載し対応

 防衛省の1月20日の発表によると、トンガ王国における被害に対し、20日、外務大臣から国際緊急援助活動の実施について協議があった。これを受けて、岸大臣が活動の実施を命じた。

 命令の概要は、(1)現地での情報収集・連絡調整のため、オーストラリアに現地調整所を設置(2)トンガ王国国際緊急援助空輸隊などを編成し、空自C130H輸送機2機による輸送活動を実施(3)トンガ王国国際緊急援助活動統合任務部隊を編成し、海自輸送艦「おおすみ」による輸送活動を実施―などが主な内容。

 同省では、20日夜にC130輸送機2機を出発させ、緊急支援物資として飲料水の輸送を行った。物資などの準備が整い次第、大型物資の運搬用として、おおすみについても現地に向けて出港させ、緊急支援物資の輸送を行う。オーストラリアからトンガへの輸送は、調整するとしている。

 おおすみには、火山灰を除去するための高圧洗浄機やリヤカーなどのほか、陸自のCH47輸送ヘリコプター2機を搭載し、現地で使用するとしている。派遣隊員は連絡調整員を含め全体で300人程度となる見込みだ。

 同省によると、トンガ側からは飲料水のほか、火山灰を撤去するための用具などの物資の支援要請があったという。

 岸田文雄首相は、トンガへの支援について、1月20日の参院本会議で、「オーストラリアやニュージーランドといった関係国と緊密に連携して対応していく」と述べた。

連絡調整員の6人が豪到着

 岸防衛大臣は1月20日、トンガへの自衛隊の対応に関する関係幹部会議終了後、防衛省で臨時会見し、現地の状況の情報収集や各国軍との連絡調整などのため、6人の連絡調整員を出発させると表明。6人はその後、オーストラリアに到着した。現地に運ばれる飲料水の規模や数量については、「できるだけ多く」とし、「防衛省としては、一丸となって、被災したトンガ王国の人々のために全力で取り組んでいく」と述べた。


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