【2022年1月11日(火)1面】 岸信夫防衛大臣は12月27日、魏鳳和・中国国務委員兼国防部長との日中防衛相テレビ会談を実施。約2時間にわたり、両大臣は日中関係や地域情勢について意見交換を行った。岸大臣は、尖閣諸島や東南シナ海周辺などをめぐる中国のさまざまな行動に対し、改めて強い懸念を表明した。

 会談では、岸大臣が尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海情勢に関し、中国軍や中国海警局に所属する船舶による活動など個別の事案について指摘。力を背景とした一方的な現状変更の試みに反対するとともに、極めて深刻な懸念を伝達し、中国側に強く自制を求めた。

 岸大臣はまた、台湾情勢についても言及。「台湾海峡の平和と安定は、わが国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても極めて重要であり、わが国としても、引き続き関連動向を注視していく」などと述べた。

 さらに、南シナ海問題について、一方的な現状変更の試みや緊張を高めるいかなる行為にも強く反対することを伝達したほか、昨年2月に施行された海警法についても深刻な懸念を表明。中国の不透明な国防費の増加、戦力の近代化・増強に対しても、強い懸念を示した。

 その上で、両大臣は、「日中防衛当局間における海空連絡メカニズム」につき、その実効性を向上させるため「日中防衛当局間ホットライン」の早期開設が重要であることを改めて確認。引き続き、両大臣が強いリーダーシップを発揮し、年内の運用開始を目標とすることで一致した。

画像: 防衛省・自衛隊ツイッターより

防衛省・自衛隊ツイッターより

日ブルネイ防衛相 防衛協力などで一致

 岸防衛大臣は12月28日、ブルネイのハルビ第二国防大臣との間でテレビ会談を行った。

 両大臣は、約35分間にわたり、2国間の防衛協力・交流について意見交換。このほど、日ブルネイ防衛協力・交流覚書について内容の調整を完了したことを歓迎した上で、その早期署名に向け調整をさらに加速化させるとともに、ハイレベルを含む各種交流、寄港、共同訓練などのプログラムを通じ、今後とも両国防衛当局間の関係を引き続き強化していくことでも一致した。

 また、多国間の防衛協力・交流についても意見交換を行い、岸大臣は、ブルネイを中心にASEANが運用している「ASEAN・ダイレクト・コミュニケーションズ・インフラストラクチャー(ADI)」へのわが国の加入を表明。

 今後は、ADIを積極的に活用し、わが国とASEANとの間でより緊密なコミュニケーションを図り、ともに地域の平和と安定により積極的に貢献していきたいと述べた。ハルビ大臣からはこれを歓迎する旨の発言があった。

 さらに、今年11月に実施予定の拡大ASEAN防衛相会議(ADMMプラス)に向け、引き続き緊密に連携していくことでも一致した。

日米4閣僚が「2+2」

 岸信夫防衛大臣と林芳正外務大臣は1月7日午前(日本時間)、米国のロイド・オースティン国防長官、アントニー・ブリンケン国務長官との間で日米安全保障協議委員会(「2+2」)をテレビ会議方式で開催した。

 防衛省によると、4閣僚は、日米が直面する安全保障上の課題について認識のすりあわせを行うとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた今後の協力、日米同盟の抑止力・対処力の強化や地域における安全保障・防衛協力の方向性などについて協議した。


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