【2021年11月4日(木)2面】 陸自で最も過酷な訓練といわれる部隊集合教育(レンジャー)」。厳しい訓練を乗り越え、教官から認められた者だけが晴れて、徽(き)章を獲得できる。板妻駐34普連(連隊長・水野1陸佐)から、10月に行われた5つの訓練の様子が届けられた。まさに「精鋭中の精鋭」を目指す隊員たちの表情を日付順に紹介します。

山地総合

 【10月4~6日】「山地総合」を実施。訓練では、レンジャー学生が沼津市の鷲頭山(わしずやま)で岩場でのロープ訓練、対岸に張ったロープを渡るロープ橋訓練を実施した。

 岩場の訓練では、高さ30メートル以上ある岸壁を一歩一歩、確実な足取りで各種登はん=写真(1)=、懸垂降下=同(2)=、背負い搬送、担架を利用した救出法の要領を演練した。

 また、ロープ橋では、対岸に張った約30メートルのロープをモンキー、セーラー渡りで、リズムとバランスを保ちつつ、全神経を集中させながら必死に渡り=同(3)=、山地潜入に係る技術練度の向上を図った。

画像: 写真(1)

写真(1)

画像: 写真(2)

写真(2)

画像: 写真(3)

写真(3)

空路侵入

 【10~12日】板妻駐と立川駐で「空路潜入訓練」を実施。訓練では、当初、板妻駐で基礎的な要領について演練した。

 その後、立川駐(立川飛行場)に移動。1飛行隊の支援の下、UH1ヘリコプターからの低所における飛び降り、リペリングによる特殊卸下(しゃが)といった空路からの潜入要領について演練=同(4)、(5)。ヘリボン作戦に必要な能力の向上を図った。

画像: 写真(4)

写真(4)

画像: 写真(5)

写真(5)

武装走歩

 【11日】東富士演習場で「20キロ武装走歩」を実施。代表者がレンジャー旗=同(6)=、それぞれが小銃を携行し、起伏の激しい演習場内の道路を、「レンジャー」と演習場内に響き渡る大きな声を発して疾走した=同(7)。

 途中、徒歩により列と息を整えると、引き続き駆け足を再開。教官・助教の檄(げ)きが飛び交う中、汗まみれになりながら一致団結し、力を振り絞って駆け抜けた。

 学生たちは、これから控える富士すそ野の上り坂が延々と続く10マイル走、そして想定訓練への自信と体力・気力そして精神力を向上させ、訓練を終了した。

画像: 写真(6)

写真(6)

画像: 写真(7)

写真(7)

生存自活

 【15日】板妻駐で「生存自活訓練」を実施。訓練では、カエル、ヘビ、ニワトリの捕獲、調理方法などについて実習した。

 レンジャー学生は、助教による展示の後、指導を受けながらヘビ、ニワトリ、カエルの順でそれぞれの生態の特性を把握しながら解体・調理し=同(8)=、最後は命の大切さを噛み締め、感謝の気持ちを込めて口にした。

 また、泥を含んだ水や植物の浄化法などについても研修し、山中などに潜伏して生存するために必要な技術について学んだ。

画像: 写真(8)

写真(8)

爆破訓練

 【20~21日】東富士演習場で基礎爆破および応用爆破訓練を実施。訓練は、各種状況に応じた爆破を実施し、各種雷管の使用、回路構成、薬量の算定および装薬装着要領を演練した。

 レンジャー学生は、教官・助教の厳しい指導の中、緊張感をもって最後まで集中力を切らすことなく、各号令に基づき爆破薬の設置や点火、安全点検を確行し、破壊技術の習得とその能力の向上を図った=同(9)、(10)。

 爆破後はそれぞれの景況を確認。その効果を踏まえ、爆破任務を付与された際の行動のイメージを高めて訓練を終了した。

画像: 写真(9)

写真(9)

画像: 写真(10)

写真(10)


◆関連リンク
陸上自衛隊 第34普通科連隊
https://www.mod.go.jp/gsdf/eae/1d/unit/34i.html



This article is a sponsored article by
''.