はじめに

総合防災コミュニティ「学防 manabou」運営メンバーの生活密着型ママ防災士セイコです。主婦と子どもの視点から考える「普通の暮らしの中の防災」を担当しています。

肌寒くなってきたら、クローゼットの衣替えと同時に非常用準備品の衣替えもお忘れなく! 今日は、私が実践している生活密着型な非常時用防寒対策を紹介してみたいと思います。

いつも持ち歩くもの

私がいつも持ち歩くポーチには、防寒対策としてエマージェンシーシート(アルミ毛布)と予備の靴下が入っています。冬になると使い捨てカイロを加えて冬支度。

併せて、季節を問わず帽子と、夏は羽織ものと大判スカーフ、冬はストールなどを携帯します。

小振りのお洒落バッグでお出かけできないのは残念ですが、いざというときの我慢の辛さを考えると、どうしても荷物が増えるのです。

寒がりで心配性な私にとっては安心もファッションの一部!なんて考えて納得しています。

エマージェンシーシート(アルミ毛布)

私の外出用ポーチに常駐しているエマージェンシーシート。防寒用品としてはとにかくコンパクトなので、携帯性は抜群。100円ショップにも売っているし、市販の防災セットなどでもよく同梱されているので、お持ちの方も多いかも知れません。

広げて試してみたことはありますか? せっかくコンパクトに畳まっているのに広げたらもとに戻らないだろうと、パッケージのままではありませんか。

お気持ちはよくわかります。でも機会があれば一度試してみていただきたいです。いざ使うとなると、防寒の効果を感じる以前の大きな難点に気づかれると思います。

カシャカシャとかなり耳障りな音がします。自分でも気になるくらいですから、周囲に人がいる場合、居心地が悪くなるかもしれません。

少し価格が上がりますが、静穏性重視の商品も販売されています。それでも音が無くなるわけではありません。

また、さらに高価格になると静音性や畳やすさが向上しますが、初期サイズがいつものポーチに見合わなくなります。

価格や性能、いつどうやって持ち運ぶかなど考え合わせて選ぶと良いでしょう。

また、シートそのものに発熱効果があるわけではないことも盲点です。シートにくるまれた内部の温度を逃さず、外気を遮断することで保温効果を発揮するものなので、熱源である身体をしっかりシートにくるんでじっとしていてこそ、体温の維持ができるのです。つまり移動や片付けといった活動時には活用しにくいでしょう。

とはいえ、野外で路頭に迷ったりエレベーターに閉じ込められたりなどの緊急事態に見舞われる可能性がある日本。

命を脅かす凍えから身を守る手段をいつも手のひらサイズで持ち歩けるなら、やはりカバンに入れておきたいと思います。

画像: これは100円のもの。コンパクトですが、広げたら元に戻らず倍以上のサイズになってしまいました。

これは100円のもの。コンパクトですが、広げたら元に戻らず倍以上のサイズになってしまいました。

使い捨てカイロ

腰の仙骨のあたりにあてると、血流により全身が温まりやすいそう。「貼るタイプ」は動いていても温められるので便利です。

手足や耳など末端の冷えが辛い私は、温めたい箇所を温められる「貼らないタイプ」も愛用しています。外出用ポーチには「貼るタイプ」と「貼らないタイプ」両方を携帯しています。

使い捨てカイロは、シーズンオフになると店頭に並んでいなかったり、価格が高めだったりします。

冬物シーズンの商品入れ替え前に突然寒くなる日もありますし、私は毎年、冬終盤のセールで、次の冬に備えてまとめて購入しています。使用期限には余裕があるので、翌年使う分には全く問題ありません。

画像: 使用済みカイロを回収して資源として活用して下さる企業を発見!今年はそちらへお送りしてみたいと思います。

使用済みカイロを回収して資源として活用して下さる企業を発見!今年はそちらへお送りしてみたいと思います。

帽子

帽子も私の外出時必携アイテム。災害時の頭部の保護といえば、ヘルメットや防災頭巾が思い浮かぶのではないかと思います。でも、それらをいつも持ち歩くのは無理ですよね。

普通の帽子でも被ると被らないでは、頭部の保護は格段に違います。保温の観点からも、頭部からの熱の放散率は意外と高く、帽子によって身体の保温効果を高めることができるのです。

また、避難生活中は洗髪の機会が減ることが考えられます。頭髪の衛生状態や人目が気になるときも、帽子でカバーすることでいくらか安心感を得られるのではないでしょうか。

コンパクトになる折りたためるタイプの帽子を愛用しています。

画像: 帽子も夏物セールで。

帽子も夏物セールで。

靴下

足の保護はとても大切です。靴も重要ですが、靴下も重要。濡れて冷えたり、不衛生になることで足を傷めることもあります。

私は湿った靴下がとても苦手で精神的にへこたれるので、いつもの外出用ポーチに予備を一足入れています。

非常用準備品としては、左右を選ばないスニーカーソックスを複数用意しています。避難生活中は気軽に洗濯ができなくなることを想定して、比較的少ない水で洗え、乾きやすいものを。

また避難所などのオープンスペースでも交換がしやすく、枚数に比して荷物がかさばらないものが良いと考えました。

とにかく汚れがちな足元ですが、なるべく清潔にしておきたいのです。

重ね履きで指先が締め付けられて冷えることがないよう、薄手の物と少しゆったりしたものの2種。

足首の部分は、レギンスやレッグウォーマーを併用することで保温性を高める作戦です。

避難所も工夫が進み、個室化や更衣室が整備されるようになってきましたが、開設直後はやはり混乱するはず。

避難時の衣類については、オープンスペースで着替えをせざるを得ない場合のことも想像しておくと良いと思います。

画像: 同じシリーズを普段履きにもしていて、買い置きを非常用セットに入れています。靴下もローリングストック!

同じシリーズを普段履きにもしていて、買い置きを非常用セットに入れています。靴下もローリングストック!

薄手のダウンと重ね着

防寒というと厚手の衣服を考えがちですが、避難時はなるべく荷物をかさばらせたくないですし、ただでさえ不便な避難生活中に着ぶくれで動きにくくなれば、ますます不便ですよね。

薄手の衣服を重ね着する準備をしておけば、厚手の衣服1着のスペースに薄手の衣服を複数枚収納することができるでしょう。

非常時は空調が聞きませんから、衣服での温度調節で適切な体温管理をしたいものです。

薄手のダウンがとても気に入っています。ジップバッグなどで圧縮すると、かなりコンパクトになります。

ダウンはアウターとして着るより、重ね着の中間に着ると保温効果が高いそう。

身体に近い部分から①フィットするサイズの衣服→②薄手のダウン→③ワンサイズ大きな衣服(トレーナーやネルシャツを用意しています)→④アウターというイメージです。

画像: B5ノートサイズで持ち運べます。

B5ノートサイズで持ち運べます。

レインウェア上下

雨や台風のシーズンに注目されるレインウェアですが、どの季節も頼りになります! 災害時に身体を濡らすのは禁物。冷えた身体をお風呂温めることはできないでしょう。

防水性・防風性の高いレインウェアなら、冬の冷たい雨や木枯らしからも身を守ることができます。

上衣だけのレインコートやポンチョだけでなく、レインパンツも併せて全身をガードするのがおすすめ。(上下セットアップにはこだわらなくても良いと思います)。

また、暗くても見えやすい明るい色やリフレクター付きのものが安心です。

中を重ね着して保温の工夫をします。先述の薄手のダウンを着込めば暖かく、厚みでは頼りなさそうなレインウェアですが、厚手のアウターが濡れてしまった場合より、体温を保つことができます。

画像: 娘に購入。1回使っただけでサイズアウトしましたが、安心感には代えられません。友人宅に譲ります。

娘に購入。1回使っただけでサイズアウトしましたが、安心感には代えられません。友人宅に譲ります。

足元やお尻の下に敷くもの

私の夏の台風避難経験で役に立ったグッズの一つが、エアークッション。避難所の床の固さや冷たさを空気のクッションで和らげることができます。

私が利用したのは、空気を吹き込んで膨らませるタイプの座布団用の専用グッズでしたが、商品梱包用のプチプチや発泡スチロールのシートなどでも代用できると思います。

梱包材は、身体に巻いて保温する、カーペットの下に広げて敷く、窓に貼って断熱材にする、温めた食品やお湯などをくるんで保温するなど、さまざま工夫して活用することができるので、手に入った時に捨てずに取っておくのも一案です。

避難所だけでなく、いつもどおりの暖房機器が使えない自宅の寒さ、床の冷たさも想像してください。

画像: プチプチや発泡スチロールのシートは、ペットの寝床の保温にも。

プチプチや発泡スチロールのシートは、ペットの寝床の保温にも。

番外編⁉ 割烹着

割烹着と防災を結びつけるのはあまりピンとこないかも知れませんが、普段エプロンユーザーの私にとって、割烹着は頼りになる防災アイテムです。

とにかく洗濯がしにくい生活の中で、掃除や片付け、食事の支度で衣服が汚れるのはなるべく避けたいものです。

冬場、それも空調の利かない寒い空間では長袖をまくり上げることもなく作業にあたるはず。エプロンよりも長袖の割烹着の方が理にかなっていると考えました。

選ぶ時のポイントは綿製品であること。冬物シーズンになると、中綿入りや裏地付き冬用割烹着が登場しますが、化繊は引火しやすいので注意が必要。

非常時はカセットコンロや炊き出し、ストーブなど、普段より火元に近づく場面も増えそうです。燃えにくい素材の綿製品の方が安心です。

また、暖かい生地の代表フリースについて。冬用割烹着の裏地に使われていたりもしますが、フリースは大変引火しやすく、静電気も置きやすいので、非常時には向いていないと思っています。

画像: 綿100%の物を選びました。

綿100%の物を選びました。

まとめ

以上、生まれも育ちも現在も、比較的温暖な地域でしか暮らしたことのない私の冬支度なので、寒い地域の方には甘過ぎる内容かも知れません。

非常時対策にも色々な段階がありますが、個人的基本の準備は「自分が我慢できないこと、我慢したくないことのバックアップをしておく」という視点で考えると、自分にとって何が必要か見えてくると思います。

私の場合は、"冷えること"がどうしても我慢できないので、外出時の荷物が増えようとも夏の羽織や冬のストール、替えの靴下まで、いつでも使えるように持っておきたいと考えています。

みなさんの、我慢できない!は何ですか? これからの季節、もしもいつも通りの生活が送れなくなったときに我慢できないことを見つけてみてください。

防災コミュニティ「学防 manabou」

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