前週の防衛省・自衛隊の動きをチェックできる週報記事を毎週月曜日の通勤・通学時間にお届けします。

2021年10月9日(土)

和歌山市の災派終了 6日間で給水1000トン

 ◯和歌山市の水管橋崩落による断水で給水支援などを行っていた自衛隊は9日午後9時、陸上自衛隊第37普通科連隊長に対する和歌山県知事から災害派遣撤収要請を受け、すべての活動を終了した。断水が概ね解消され、じ後の措置について自治体で対応可能となったため。

 10月3日午後、和歌山市を流れる紀の川の六十谷(むそた)橋沿いの水管橋が崩落し、紀の川北部地域で断水(約6万世帯)が発生。自衛隊は和歌山県知事から災害派遣要請を受け、4日早朝から和歌山市で給水支援などを実施していた。

 今回の災害派遣の活動実績は下記のとおり。

【活動部隊】
<陸上自衛隊>
37普通科連隊(信太山駐屯地・大阪府和泉市)
36普通科連隊(伊丹駐屯地・兵庫県伊丹市)
第3後方支援連隊(千僧駐屯地・兵庫県伊丹市)
中部方面後方支援隊(桂駐屯地・京都府京都市)

【活動内容】
・和歌山市内の小学校等における給水支援
・高齢者等に対する水の運搬支援

【活動実績】
・給水実績:約1000トン
・延べ活動人員数:約1000人
・使用装備:1トン水トレーラー延べ96両、3¹/₂トン水タンク車延べ22両、高機動車延べ60両
・和歌山市役所および加納浄水場に対し、部隊から連絡員を派遣

画像: 37普通科連隊の活動の様子 防衛省・自衛隊ツイッターより

37普通科連隊の活動の様子

防衛省・自衛隊ツイッターより

2021年10月10日(日) 

派遣海賊対処行動水上部隊がソマリアへ出国

 ◯海上自衛隊は大湊地方総監部で、ソマリア周辺海域における海賊対処行動のため派遣される護衛艦「ゆうだち」(第40次隊)の出国行事を行った。

 「ゆうだち」(艦長・涌嶋英孝2海佐)には、派遣海賊対処行動水上部隊の約200人に加え、海上保安庁派遣捜査隊の8人も乗船した。自衛隊は今後さらに関係機関との連携を強化し、海賊対策業務に従事していく。

空自戦闘機からの部品落下を公表

 ◯統合幕僚監部は10日、対領空侵犯措置(スクランブル)の任務中に、航空自衛隊築城基地所属のF2戦闘機から部品が落下したことを公表した。

 10日午後12時50分ごろ、第8航空団第6飛行隊のF2戦闘機から、キャノピーと呼ばれる操縦席の風防(長さ約150センチ、幅約90センチ、高さ約80センチ、重さ約90キロ、材質はアルミニウムとアクリルガラス)、緊急用はしご(縦約20センチ、横約200センチ、重さ約480キロ、材質は縄部分がナイロン、はしご部分がアルミニウム)が落下した。

 防衛省では、落下地点は築城基地の南西方向約35km付近の福岡県朝倉市東部の山間部と推定。搭乗員1人は築城基地に無事着陸し、10日時点で被害の情報はないとしている。

2021年10月11日(月)

対馬沖で中国海軍艦艇6隻を確認

 ◯海上自衛隊は午後1時ごろ、対馬の南西約320kmの海域を北東進する中国海軍レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイⅡ級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻、ダラオ級潜水艦救難艦1隻を確認した。その後、当該艦艇は対馬海峡を北東進し、日本海へ向けて航行した。

 防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第13護衛隊(佐世保)所属の護衛艦「じんつう」、佐世保警備隊(佐世保)所属の多用途支援艦「あまくさ」、第2航空群(鹿屋)および第4航空群(厚木)所属のP1哨戒機により、所要の情報収集・警戒監視を行った。

画像: レンハイ級ミサイル駆逐艦(101)

レンハイ級ミサイル駆逐艦(101)

画像: ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(172)

ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(172)

画像: ジャンカイⅡ級フリゲート(515)

ジャンカイⅡ級フリゲート(515)

画像: ジャンカイⅡ級フリゲート(573)

ジャンカイⅡ級フリゲート(573)

画像: フチ級補給艦(902)

フチ級補給艦(902)

画像: ダラオ級潜水艦救難艦(846)

ダラオ級潜水艦救難艦(846)

新型コロナワクチンの1回目接種は23日まで

 ◯防衛省は、10月4日(月)から10月10日(日)までに自衛隊が大規模接種センターで実施した新型コロナウイルスワクチンの接種回数を発表した。東京は1万2377回、大阪は4030回。

 防衛省は「1回目の接種は、10月23日(土)をもって終了します。10月24日(日)以降は2回目の接種のみとなりますので、1回目の接種を希望されている方は、お早めにご予約ください」としている。

画像: 防衛省・自衛隊ツイッターより
防衛省・自衛隊ツイッターより

2021年10月12日(火)

米海軍第7艦隊司令官が統幕長らを表敬

 ◯鬼木誠防衛副大臣、山崎幸二統合幕僚長、山村浩海上幕僚長は、それぞれ米海軍第7艦隊司令官に着任したカール・O・トーマス中将による表敬を受けた。

 鬼木副大臣との懇談で、両者は海上自衛隊と米海軍が引き続き緊密に連携し、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化や日米同盟の一層の強化に向けて協力していくことを確認。

画像1: 防衛省・自衛隊ホームページより
防衛省・自衛隊ホームページより

 山崎統幕長との懇談では、強固な日米同盟の下、共同訓練などを通じ抑止力・対処力の強化を図るとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、日米豪印や欧州の英仏独などの国々と連携強化を図ることで一致した。

画像1: 統合幕僚監部ツイッターより
統合幕僚監部ツイッターより

 また、山村海幕長との懇談では、海上自衛隊と第7艦隊が連携し、日米同盟の抑止力・対処力の強化を図っていくことを確認した。

画像1: 海上自衛隊ツイッターより
海上自衛隊ツイッターより

海自が米比主催共同訓練に参加

 ◯海上自衛隊は10月11、12の両日、米比主催共同訓練「ExerciseSAMA SAMA 2021」に参加した。

 「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、海上自衛隊の海洋状況把握などに関して米海軍やフィリピン海軍との連携を強化するのが目的。

 訓練はビデオ会議方式(VTC)で行われ、人道支援・災害救援に関する専門者が意見を交換。海上幕僚監部から3人が参加した。

鬼木防衛副大臣が大規模接種センターを視察

 ◯鬼木防衛副大臣は、自衛隊大規模接種対策本部長として、初めて自衛隊東京大規模接種センター視察し、勤務員を激励した。

画像1: 鬼木防衛副大臣が大規模接種センターを視察
画像2: 鬼木防衛副大臣が大規模接種センターを視察
画像2: 防衛省・自衛隊ホームページより
防衛省・自衛隊ホームページより

 防衛省は、「引き続き、16歳以上の方に対する予約を受付中です。予約枠にはまだ空きがありますので、ぜひご予約ください」としている。

2021年10月13日(水)

山崎統幕長がカタール軍参謀総長とテレビ会談

 ◯統合幕僚長の山崎幸二陸将は、カタール軍参謀総長のガーニム・ビン・シャヒーン・アル・ガーニム空軍中将とテレビ会談を行った。

 会談で山崎統幕長は、アフガニスタンにおける邦人などの輸送に際し、カタール軍から得た後方支援に対し、ガーニム参謀総長へ謝意を表明した。また、今後の日カタール間の防衛協力・交流について意見交換し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、両国の協力関係を強化していくことで一致した。

画像: 山崎統幕長がカタール軍参謀総長とテレビ会談
画像2: 統合幕僚監部ツイッターより
統合幕僚監部ツイッターより

カナダが北朝鮮の瀬取りを警戒監視

 ◯防衛省は13日、国連安保理決議により禁止されている北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対して、カナダが10月中旬から11月中旬までの間、国連軍地位協定に基づき、在日米軍嘉手納飛行場(沖縄県嘉手納町・沖縄市・北谷町)を使用して航空機による警戒監視活動を行う予定であると発表した。この警戒監視活動は、2018年以降6度目となる。

 防衛省は「北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器、およびあらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄の実現に向け、国際社会が一致団結して、国連安保理決議の実効性確保に取り組んでいく観点から、カナダの活動を歓迎する」とし、その上で、「海上自衛隊が、国連安保理決議違反が疑われる船舶の情報収集をしており、関係国と緊密に協力していく」としている。

画像: カナダ国防省のCP140哨戒機 防衛省報道発表資料より

カナダ国防省のCP140哨戒機

防衛省報道発表資料より

2021年10月14日(木)

日米印豪がベンガル湾で共同訓練

 ◯海上自衛隊のインド太平洋方面派遣(IPD21)部隊は、日米印豪共同訓練(マラバール2021)のフェーズ2として、10月11日から14日の間、ベンガル湾で訓練を実施した。海上自衛隊の戦術技量の向上と、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた日米印豪4カ国(クアッド)の連携強化が目的。

 訓練には、海自から護衛艦「かが」「むらさめ」が参加。米海軍の空母「カール・ヴィンソン」、巡洋艦「レイク・シャンプレーン」、駆逐艦「ストックデール」、補給艦「ユーコン」、P8A対潜哨戒機、インド海軍の駆逐艦「ランヴィジャイ」、フリゲート「サツプラ」、P8I対潜哨戒機、潜水艦、豪海軍のフリゲート「バララット」、補給艦「シリウス」と共に、対潜戦訓練、対水上訓練射撃、洋上補給訓練などを行った。

画像1: 日米印豪がベンガル湾で共同訓練
画像2: 日米印豪がベンガル湾で共同訓練
画像3: 日米印豪がベンガル湾で共同訓練
画像2: 海上自衛隊ツイッターより
海上自衛隊ツイッターより

海自の最新鋭潜水艦「はくげい」が進水

 ◯海上自衛隊は、川崎重工業神戸工場において、平成30年度計画潜水艦の命名式・進水式を実施した。「はくげい」と命名されたこの艦は、たいげい型潜水艦の2番艦にあたる。はくげい(白鯨)は、白いマッコウクジラを意味している。

 「はくげい」は全長84.0m、幅9.1m、深さ10.4m、基準排水量3000トン、乗員は約70人。主機関はディーゼル電気推進で、軸出力は6000馬力。起工は2019年1月25日で、今後、艤装や各種試験を実施した後、2023年3月に引き渡される予定。

 防衛省・海上自衛隊によると、従来のそうりゅう型潜水艦と比べ探知能力が大幅に向上しているほか、静粛性も増しており、外観形状はそうりゅう型とほぼ変わらないものの、主機関にはディーゼルエンジンとリチウムイオン電池を組み合わせたディーゼル電気推進が採用されている。

画像1: 海自の最新鋭潜水艦「はくげい」が進水
画像2: 海自の最新鋭潜水艦「はくげい」が進水
画像3: 海上自衛隊ツイッターより
海上自衛隊ツイッターより

フランスが北朝鮮の瀬取りを警戒監視

 ◯防衛省は14日、国連安保理決議により禁止されている北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含 む違法な海上活動に対して、フランスが10月中旬から11月中旬までの間、国連軍地位協定に基づき、在日米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を使用して航空機による警戒監視活動を行う予定であると発表した。この警戒監視活動は、2019年以降2度目となる。

 防衛省は13日にも、カナダが在日米軍嘉手納飛行場を使用して北朝鮮の瀬取りを警戒監視すると発表している。

画像: フランス海軍のFalcon200哨戒機 防衛省報道発表資料より

フランス海軍のFalcon200哨戒機

防衛省報道発表資料より

2021年10月15日(金)

上半期の緊急発進は390回 対中国機281回

 ◯統合幕僚監部は15日、航空自衛隊が行った2021年度上半期(4月1日~9月30日)の緊急発進(スクランブル)の実施状況を発表した。

 2021年度上半期の緊急発進回数は390回で、前年度同時期(371回)と比べて19回増加した。

 対象国・地域別の割合は、推定を含め、中国機約72%(281回)、ロシア機約26%(102回)。

 方面隊別の緊急発進回数は、北部航空方面隊94回、中部航空方面隊5回、西部航空方面隊22回、南西航空方面隊269回。

 特異な飛行については、計7回公表。推定を含め、中国とロシアの情報収集機に対する緊急発進が多かった。

画像: 統合幕僚監部 報道発表資料より
統合幕僚監部 報道発表資料より

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